「自社だけの手柄のような書き方は傲慢」 「自民裏金で新聞協会賞」朝日新聞の“自画自賛記事”にOBもため息

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赤旗への言及は“たった3行”

 報道機関にとってはこのうえない名誉で、朝日も受賞が決まった日の翌日(9月5日)の朝刊で1面と6、7面を使って、大きく自画自賛してみせた。

 ところが、この受賞のニュース、朝日OBからの評判は決してよろしくない。それもそのはず、裏金問題は「しんぶん赤旗」の22年11月6日のスクープが発端だったし、それを受けて上脇博之氏(神戸学院大学教授)が告発したことをきっかけに広く知られるようになったからだ。

 朝日が積極的に報道し始めたのは、検察庁が動き出した後。なのに、受賞を報じた記事で赤旗についての言及は3行だけ。上脇教授は名前も出てこない。

 朝日に聞いてみる。

「(受賞は)厳正な審議を経て評価をいただいたものと受け止めております。報道の経緯については、『しんぶん赤旗』の報道に基づく告発(最終的に不起訴)が捜査の端緒となったことも含め、紙面でお示ししています」(広報部)

 ウェブメディア「メディアウオッチ100」でこの件を取り上げた、朝日の元政治部デスク・元社会部デスクの脇正太郎氏が言う。

「他者への敬意が足りないのではないでしょうか。受賞を誇るなら朝日は赤旗や上脇教授の地道な調査をもっと紹介するべきでしたし、裏金事件は、他紙も繰り返し報じています。自社だけの手柄のような書き方は傲慢(ごうまん)です。また、取材が東京地検特捜部に引きずられていたような印象を残したのも残念です」

週刊新潮 2024年9月19日号掲載

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