大正時代の「上級国民」とネット時代の「上級国民」との違いは 人気評論家が説く「上級語彙」の魅力

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「上級」が頭につく語には、「上級者」「上級職」というように、グレードが高いという意味合いがある。

 評論家の宮崎哲弥氏が2022年に刊行したのは『教養としての上級語彙 知的人生のための500語』(新潮選書)。タイトルにある「上級語彙」は、表現を豊かにする「ワンランク上の語彙(ごい)」とのこと。具体例として挙げられているのは「濃やか」「久闊を叙する」「謦咳に接する」「鼎の軽重を問う」等々。ともすれば「分かりやすさ」「シンプルさ」にのみ重点が置かれがちな風潮に抗うかのように、豊かな日本語表現が並んでいる。...

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