「二階俊博元幹事長」ドクターストップでも訪中せざるを得なかった背景とは

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問題が山積みの日中関係

 自民党の二階俊博元幹事長が会長を務める超党派による日中友好議員連盟のメンバーが先月末、中国を訪問した。滞在中、王毅外相らと会談したが、習近平国家主席との会談は実現しなかった。二階氏は次期衆院選には出馬せず、三男が地盤を受け継ぐことになっている。また、5月には緊急入院説が流れるなど、体調不安がささやかれる中で、なぜ訪中したのか。その狙い、背景についてお伝えする。

「日中両国間では、懸案が山積みです。東電福島第一原発にたまる処理水の放出について中国が日本産水産物の輸入停止を続けていることに加え、短期滞在ビザの免除措置が日本人に対して再開されておらず、スパイ容疑で日本人の拘束が続いているといった問題です」

 と、政治部デスク。

 さらに訪中前日の8月26日には中国軍機による日本の領空侵犯が初めて確認され、中国側の訪中歓迎ムードに水を差す格好となった。

 二階氏は次期衆院選には出馬せず、三男が地盤を受け継ぐことになっている。5月には緊急入院説が流れた。

再入院情報

「入院していたのは間違いないようです。その後に退院しましたが、また新たに入院したそうです。心臓や血管の疾患のためと聞いていますが、85歳という年齢もあって常に深刻な体調不安を抱えている状況のようです」(同)

 そんな厳しい状況の中でも訪中する必要があったのだろうか。

「先ほどお伝えしたように日中間の懸案がたくさんある中で、それに対応できる国会議員がなかなか見当たらないのが現状です。余人をもって代えがたいというのが、二階氏が病をおして訪中団の旗振り役となった理由なのだと思います」(同)

 余人をもって代えがたいとしても体調が不安定な時期をわざわざ選ばなくても……と思わなくもないが。

「二階氏がバッジをつけている、つまり国会議員である間にということが大きかったのでしょう。自民党は総裁選があり、近々の総選挙も想定され、自民党の体制がなかなか読めないことも関係したかもしれません」(同)

 本来なら後継者である三男がストップをかけるべきところなのかもしれないが……。

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