日経女性記者の事件に「オレのことかと」 アラフォー秘書と不倫し警察沙汰…49歳夫が語る“沼のはじまり”

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妻には全幅の信頼

 隆造さんは妻の智佳子さんと、友だちが主催した飲み会で知り合った。合コンというわけではないと彼は弁明する。

「ごく普通の家庭に育った、ごく普通の女性なんです。バリバリ仕事をすることを望んでいたわけでもない。つきあってほしいと言ったとき、『私は自分の母親と同じように、子どもをもって普通の主婦でありたい。だから結婚につながらない恋愛はしないの』とはっきり言っていたのが印象に残っています。結婚につながるかどうかはまだわからない、きみが僕を夫にふさわしくないと判断することもあるでしょ、でも僕だって恋愛だけじゃなく、一緒に家庭をもてる人を探してたんだと伝えました。智佳子は、言い方は柔らかいけど、かなりしっかりした意志を持っているし、頑固な面もあります。ただ、あまり感情的にならないところが僕は好きなんです」

 長男のときは、かなりの難産だった。だが出産を終えた智佳子さんに、隆造さんが涙を流しながら「おつかれさま。ありがとう」と言ったら、「まったく、なかなか出てこない、のんびりした子ねえ」と言ってのけ、医師や保健師までが笑ってしまったという。覚悟を決めたら潔いのだ。

「家計は妻に任せて僕は小遣いをもらっていました。そのほうが気楽だった。社内預金なんかは天引きしてもらって、ボーナス時は小遣いを多めにしてもらって。僕らの年代では、ごく普通の家庭だったと思うし、妻に任せておけば全部うまくいくとも思ってた。子どもたちが元気に育ったのも、妻が料理に気をつけてくれたからと信じています。そういう意味で、妻には全幅の信頼を置いていました」

まったく疑わない妻

 おそらく、妻も夫を信頼していただろう。だからこそ、たまにつきあいで遅くなろうが、子どもたちが大きくなってからは週末に学生時代の友人に会おうが、智佳子さんは疑いの言葉ひとつかけてこなかった。

「夫婦で寝室にひきあげると、夜中にどちらからともなく話を始めるのが定番でした。たいしたことは話さないけど、妻との会話が僕の安眠剤だったような気がします」

 それなのに40代も半ばになって恋に落ちた。なぜかと問われても返す言葉はないと彼は言った。まさに落ちたのだ、落ちてから気づいたのだ、これが恋だったと。

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後編】では、奈美絵さんが“ストーカー”化していった過程と、隆造さんに起きた“事件”を紹介している。

亀山早苗(かめやま・さなえ)
フリーライター。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。

デイリー新潮編集部

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