日経女性記者の事件に「オレのことかと」 アラフォー秘書と不倫し警察沙汰…49歳夫が語る“沼のはじまり”

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【前後編の前編/後編を読む】不倫3年で彼女がストーカー化、謎の「箱」が自宅に…家庭に“致命傷”を負わせたその中身

 新聞社勤務の33歳の女性記者が、他の新聞社勤務の既婚男性にストーカー行為をしたとして逮捕された。ふたりは数年つきあっていたらしい。「不倫」なのだ。女性は昨年以降、たびたび電子決済のチャット機能でメッセージを送るストーカー行為に及んでおり、警察は何度か口頭で注意をしていた。

 今回は9日間に64回のメッセージを送ったことで逮捕ということになった。だが女性は、「嫌ならブロックして」と伝えていたが、ブロックされなかったのだから、逮捕は納得いかないと話しているそうだ。

 腑に落ちない話だと最初から思っていた。男性が彼女を嫌っているなら、確かにブロックすればいい。連絡してこないでほしいと言って、被害届を出すこともできた。だが彼はしなかった。できない理由があったのだろうか。彼女が「会いたい」「一緒に背負って」「死にたい」などという内容のメッセージを送っていたとの話もある。それ以上の真偽はわからないが、内容から推察すると、もしかしたら妊娠していたのかも……と考えてしまった。

「そのニュース、正直言って、オレのことかと思いました」

 伊沢隆造さん(49歳・仮名=以下同)は伏し目がちになって、小声でそう言った。いまだ心が疼くことがあると、彼は自らの経験を語ってくれた。それがもとで家族とは同居していながら心が行き交わなくなったという。

「つきあっていた彼女と揉め、警察沙汰になったのは、2年ほど前でした。どうしてあんなことになったのか、本当に避けられない事態だったのかと反芻することがあります」

出会って「理想の女性だ」と…

 隆造さんは29歳で結婚し、当時、高校生と中学生の男の子がいた。結婚して15年が経過したころ知り合ったのが当時37歳の奈美絵さんだ。

「家庭はそれなりにうまくいっていました。妻はパートで仕事をしながら、しっかり家を守ってくれた。子どもたちも元気に育っていましたしね。あのままだったら、何ごともなく、適度に出世して、今は定年までがんばろうと思っていたかもしれません。だけど出会ってしまったんです、奈美絵に」

 彼女は隆造さんの取り引き先の会社で、ある取締役の秘書として働いていた。出会った瞬間、彼は彼女に魅せられた。自分のイメージの中にある理想の女性だと感じたそうだ。

「いや、でもあとから気づいたんです。僕のイメージの中に理想の女性なんていなかった。彼女を一目見たとき、彼女が理想の女性になったんです。顔立ちが整っているとかそういうことではなく、彼女の一挙手一投足が僕に訴えかけてくるものがあるような、そんな感じ。目が合ったとき、彼女、じっと僕を見たんですよ。近視でよく見えなかったというのが真相なんですが、その目の中に取り込まれるような気がしました」

 恋とはそうしたものなのだろう。一目惚れは実際にあるのだ。その瞬間、円満にやってきた妻のことも、大事な息子たちのことも、隆造さんの脳裏にはよぎらなかった。それが「恋」の怖いところだ。

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