黒柳徹子「トットちゃん御殿」を買った人物の“意外な人間関係” 「リーマン・ブラザーズから371億だまし取った男」とトラブルになっていた

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 東京都心の、とある高級住宅街にたたずむ白亜の建物は、面積が約760平方メートルという豪邸だ。3年前に約22億円で売りに出されたことがあるが、そんな値が付いたのは女優・司会者の黒柳徹子氏(91)が、母親のために建てた家だからである。

「トットちゃん御殿」とも呼ばれた邸宅は、いったんフランス料理店に売却され、2019年、コンサルタント会社が買い取る。同社の登記簿を見ると、女性が代表として出てくるが、実質的なオーナーとみられる名前を仮に「黒崎勉」としておこう。5月に出版された『リーマンの牢獄』(講談社)に出てくる名前だ。

返金されなかった3億円

 同著を上梓したのは齋藤栄功(しげのり)氏。病院などの再生ファンドを運営する「アスクレピオス」の元社長で、偽の投資スキームを使いリーマン・ブラザーズから371億円をだまし取った主犯の一人である。逮捕されたのは08年6月で、リーマン・ショックの3カ月前のこと。

 当時、リーマンは富豪のウォーレン・バフェットに助けを求めていたが、NYタイムズ記者が書いた本によると、日本の詐欺事件のことは伏せられていた。後に事実を知ったバフェット氏は救済案から撤退。リーマンは破綻する。一方の齋藤氏は15年の実刑判決を受けて長野刑務所に送られるが、摘発前、ある人物に18億円近い資産を預けていたと同著に書かれている。

 齋藤氏が言う。

「それが黒崎氏です。彼とは06年の夏に三田証券社長の弟さんの紹介で知り合うのですが、製薬会社創業家の一族という立場にあり、病院再生の仕事を手がけていました。まだ若いのに物腰がソフトで大人びていて、すっかり信用していました」

 詐欺がバレないように、次の詐欺でまた金集めをする “自転車操業”に陥っていた齋藤氏は、黒崎氏から海外への資産逃避を提案される。以後、9回にわたって数千万円から億単位の金を手渡したという。ほとんどが現金だ。

 齋藤氏の仮釈放は一昨年。もちろんすぐに黒崎氏に連絡を取った。

「彼とは銀座の焼肉店で再会しました。出所したら、まず3億円を返してくれる約束だったのですが、彼は“待ってくれ”と言うばかり。結局、金を返すつもりがなかったのです」

 齋藤氏は黒崎氏と弁護士を介して激しいやりとりを繰り広げたが、今も膠着(こうちゃく)状態だ。そこで、黒崎氏に聞いてみると、弁護士から、齋藤氏の主張には根拠がなく支離滅裂であること。また、同氏は自己破産しており、今になって財産隠匿を主張するのは新たな詐欺罪につながる悪質な行為であるとの回答が返ってきた。

週刊新潮 2024年9月5日号掲載

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