「マサ斎藤の大ファンだった皇族」から「リンカーン大統領は元プロレスラーだった」まで、マニアも驚くプロレス仰天秘話

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 アントニオ猪木と数々の名勝負を繰り広げてきたマサ斎藤。実は、彼の大ファンだった皇族がいるのをご存知だろうか? さらに、この秋に47代目が決まるアメリカ大統領だが、16代目のリンカーンがプロレスラーだったというのは本当か? 「デイリー新潮」のプロレス・コラムでおなじみ、瑞佐富郎氏が数々の取材と調査をもとに、プロレスマニアでも驚くこと間違いなし、極上の秘話を発掘した(以下は『アリは猪木戦の前にプロレスラーと戦っていた! プロレス発掘秘史』(宝島社)より)。

~プロレス好きの皇族が心配した巌流島決闘直後のマサ斎藤の体調~

お気に入りは“技巧派”スティーブ・ライト

 2018年7月、マサ斎藤が逝去した際、猪木がこんな思い出話をしていた。

「斎藤との巌流島決戦が終わったあと、偶然、東京駅で、ある皇族の方にお会いしたんです。すると開口一番、こう仰いました。『マサ斎藤さんは、お元気ですか?』と」

 巌流島決戦といえば、1987年10月4日、宮本武蔵と佐々木小次郎の決闘で有名な巌流島で行われた猪木と斎藤の無観客試合。2時間を超える大死闘となったが、翌5日夜には録画放送され、ある皇族の方も、その中継を観ていたと思われる。果たして、“ある皇族”とはどなたなのか? 1983年11月30日付の「中日新聞」にそのヒントがあった。

〈礼宮さま、きょう18歳(中略)英国に留学中の浩宮さまから礼宮さまにこのほど、誕生祝いのカードと英語のプロレスの本が届いたという〉

 浩宮さまは、現・天皇陛下(今上天皇 徳仁さま)、礼宮さまは、秋篠宮文仁親王。秋篠宮親王が大のプロレスファンだったのである。筆者が漏れ聞いたところによれば、初代タイガーマスクの好敵手である技巧派、スティーブ・ライトを応援していたようで、なんとも渋い。イギリスに留学中には現地のプロレス会場にも足を運んだようで、大手メディアの現地特派員によるいくつかの目撃談が残っている。

 新日本プロレスの元リングアナ、田中ケロによれば、選手が秋篠宮さまと同じ新幹線になったこともあり、マサ斎藤の前で立ち止まり、「マサ斎藤さんでいらっしゃいますね。いつも観させていただいてます。これからも頑張ってください」と挨拶されたという。スティーブ・ライトにマサ斎藤と、古豪の実力派を好む傾向があったのかもしれない。

 今上天皇や父である明仁上皇がプロレス好きだったという情報はないが、プロレスに関して、なんとも惜しかった出来事もある。2017年、秋の外国人叙勲で、ザ・デストロイヤーが旭日双光章を受勲。本人の体調もあり、伝達式は自宅近くのニューヨーク州で行われ、デストロイヤーがこう語っている。「もし皇居で陛下から直接勲章をいただけていたら、面白いことになってましたよ。陛下に拝謁する際は、誰もが帽子やマスクを取らなくてはなりません。私も、陛下の前で非礼はしたくありません。つまり、天皇陛下が『ザ・デストロイヤーのマスクを剥いだ唯一の日本人』になられたことでしょう」

 天皇陛下によるマスク剥ぎ。デストロイヤーによる日本愛の極みを観たかったのは筆者だけではないだろう。

~「リンカーンは元プロレスラー」の伝説が生まれた原因は“賭け試合”への参戦~

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