事故の目撃情報も記者ではなくAIがキャッチ…“報道の機械化”のウラで「AIにできないこと」とは

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注意すべき「断言」や「極論」

 ではメディアが衰退し、SNSが隆盛していく中で陰謀論など、根拠に基づかない情報が拡散していく事例もある。ユーザーは何を基準にどんな情報を信頼して収集していくべきなのだろうか。

「特定の識者だから信頼できる、ということはなくなっているように思います。情報が爆発的に増えているので、その道の専門家はその分野においては信頼できることはあっても、ゼネラリストかといえばそうではありません。違う分野のテーマになると、一転して“信頼できない識者”になってしまう。ですから、ユーザー自身がリテラシーを持つしかない。新聞やネットの記事を見た時に受け入れる部分と受け入れない部分を切り分けて解釈していくことが必要でしょう」

 注意すべきは「断言」や「極論」である。

「偽情報や誤情報が拡散する原因は感情にあると言われています。怒りや驚きなど感情を刺激する情報は拡散しやすい。感情を刺激するよう味付けがなされたコンテンツ、つまりアテンション(注意)を得るために断言する、あるいは極論で構成された記事などは、背後にPVやインプレッション増を狙った経済合理性が潜んでいるのです」

デイリー新潮編集部

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