日本代表に「7-0」で歴史的惨敗…中国「イバンコビッチ監督」、守備強化の“システム変更”が裏目に

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「間違いなく個の成長にある」

 彼らにしてみれば、北中米W杯の出場権を争う当面のライバルはオーストラリアでありバーレーンである。このため日本戦はできるだけ失点を減らし、傷口を広げたくないと思うのは当然だろう。

 ところがこの5BKは裏目に出た。5BKにして中盤の守備を強化したことで、ペナルティーエリア内にスペースが生まれる。

 さらにこの5BKは人数こそいるもののカバーリングの意識が希薄だった。後半開始7分に左サイドで三笘のパスをフリーで受けたMF南野拓実がマーカー1人をかわして3点目を叩き込む。

 南野は6分後にも上田のポストプレー崩れのルーズボールを拾ってドリブル突破から4点目を決めた。

 その後も交代出場のMF伊東純也とMF前田大然、さらに後半アディショナルタイムの45+5分には久保も代表5点目を決めてゴールラッシュを締めくくった。

 前回予選で中国とはホームで2−0、アウェーは1−0の辛勝だった。しかし今回は7−0の大勝で、シリアやミャンマー戦のスコアを上回った。

 前日会見で森保監督は前回の最終予選との違いを「間違いなく個の成長にある。チーム力も上がっている」と述べた。

海外組の差

 中国国籍を取得した選手もいるが、現在は全員がCリーグ(中国プロサッカーリーグ)でプレーしている。対する日本はスタメン11人が“海外組”で、なおかつ欧州5大リーグでプレーしている選手が7人もいた。

 この違いが、サウジアラビアやオーストラリアに対しても日本のアドバンテージであることは疑う余地がない。そして2次予選のときと違いベストメンバーが揃っただけに、アウェーとはいえバーレーン戦も期待が膨らむばかりである。

六川亨(ろくかわ・とおる)
1957年、東京都生まれ。法政大学卒。「サッカーダイジェスト」の記者・編集長としてW杯、EURO、南米選手権などを取材。その後「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。

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