亡くなった「元県民局長」の文書は“誹謗中傷”と未だ言い張る「斎藤知事」 それでも「維新」は知事擁護

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おねだりのオンパレード

奥谷委員長:問題ない? 告発文に書いてある当事者が文書の作成者を探すというのは、告発を握りつぶそうとしていると感じられると思いますが、そういう認識はないのですか。

斎藤知事:そういう認識はないです。告発というよりは誹謗中傷性の高い文書を作成したということですから、その作成者はどなたか探すということは必要なことだと思っています。(中略)公益通報に該当するとは今も思ってない。

 相変わらず堂々としたものである。もっとも、公益通報に該当するかどうかは、告発された当人である斎藤知事が判断することではない。別の委員(県議)から「真実かどうかは関係なく、公益通報者を調査することが違法」であることを指摘されても、のれんに腕押し……。

斎藤知事:我々はあくまで真実相当性で調査を進めてきた! 私は公益通報者保護には該当しないと考えている。

 頑として聞かない、というよりも、話が通じず、堂々巡りである。この日、一問一答の形が成立したのは贈答品、いわゆる“おねだり”についてだった。百条委員の松本裕一県議(自民党)がこれまで知事がもらった品物を並べ立てた。

松本委員:姫路城のレゴブロック、スポーツシューズ複数、兵庫海苔・明石海苔、播州織りの浴衣、ジャケット、ネクタイ等、バスケット、サッカー、ラグビー、バレーボール、野球等の様々なユニホーム。ロードバイクは返却済みですが、アンケートにはヘルメット、サングラス、ウエアも一緒にもらったとの声もある。牡蠣、ワイン、枝豆、職員の分まで持ち帰られた蟹、日本酒、岩津ネギ、淡路タマネギ、バースデーケーキ、湯飲みセット、高級革ジャンパー……。

 驚くべきことに、斎藤知事はこれらの贈答品について、どこから何のためにもらったのかをひとつひとつ明確に答えていった。恐るべき記憶力である。職員の進言についての質問には「記憶にない」と答えることもあったのに。

 そして贈答品について、知事擁護に回ったのが例によって維新の会所属の百条委員・増山誠県議だった。

おねだりを擁護

増山委員:(告発)文書の中には、《知事の自宅には贈答品が山のように詰まれている》とありますが、これは事実でしょうか?

斎藤知事:そういったことはないです。

増山委員:聞いたところによると、(前職の)井戸(敏三)知事は自宅(の住所)を公開されていたので、贈答品については自宅に届けられることが多かったとの職員の声を聞いております。斎藤知事は自宅(の住所)を公開されておりませんので、基本的には現場でもらうか、知事室に届く。この違いですね、かなりイメージが違ったのではないかという話を聞いております。20年務められた井戸知事の時に贈答品がなくて、急に斎藤知事になってから山のように贈答品が来ているというのは考えにくい。この中で元県民局長は、斎藤知事にのみ、おねだり体質を指摘されているということだけ指摘させていただきたいと思います。

 とある県職員はいう。

「そもそも斎藤知事の“おねだり体質”など些末なことです。問題はパワハラなどで県職員を困らせ、公益通報者保護を怠ったために元県民局長を死に追いやったことですから。しかも、元県民局長が亡くなった原因のひとつは、維新会派が元県民局長のプライバシーを暴こうと、メールなどの資料開示を執拗に迫ったためと言われています。実はこの日、斎藤知事が退席した後、今後の資料要求について話し合いがもたれた際に、あろうことか維新は再び、元県民局長の資料開示を迫ったのです」

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