亡くなった「元県民局長」の文書は“誹謗中傷”と未だ言い張る「斎藤知事」 それでも「維新」は知事擁護
パワハラやおねだり等の疑惑を告発された兵庫県の斎藤元彦知事(46)が、9月6日の午後、再度、百条委員会(県議会の調査特別委員会)に出席した。今回の審議内容は、公益通報者の保護と贈答品の授受についてだった。
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前日の5日に行われた百条委員会では、まず斎藤知事の最側近と言われる井ノ本知明・前総務部長が心身の不調で欠席と伝えられた。続いて尋問されたのは、同じく斎藤知事の側近のひとりとされる原田剛治・産業労働部長だった。
原田部長は、斎藤知事が3月21日に側近の“4人組”を集め、元県民局長(7月に死亡)が配布した告発文書について「事実関係を調べよう」と指示があったと証言した。
6日午前の百条委員会では、もうひとりの側近と言われる片山安孝・前副知事を尋問。原田部長と同じく、斎藤知事から3月21日の協議で「(告発文書について)徹底的に調べてくれ」と指示を受けたことを証言した。
そして6日午後には、告発者の元県民局長が懲戒処分を受けたことについて、参考人として呼ばれた消費者庁公益通報者保護制度検討会委員の山口利昭弁護士から見解を聞いた。山口弁護士は「元局長の文書配布は外部公益通報に当たる」「事業者(県)は通報者への不利益な取り扱いを防ぐための措置が義務付けられている」とした上で、こう力強く訴えた。
山口弁護士:文書の存在を知った直後に誰がどの目的で書いたのかを捜すのはあり得ない。明らかな法令違反だ。兵庫県は今も違法状態にある。
2人の側近から告発文の調査を命じたのは斎藤知事だと証言され、公益通報の専門家はそれが違法であることを指摘、完全に外堀が埋められた状態で、斎藤知事の2回目の尋問が始まった。まず尋ねられたのは、3月21日の協議についてである。
いつもの論調
斎藤知事:当該文書の内容を見て、私自身について事実でないことが含まれていると感じましたし、その場でいくつかの項目について片山副知事に聞いても、「違います」ということでしたので、誰がこの文書を作成したのか、なぜ作成したのかということなど、しっかり事案として把握することが大事だということで、「しっかり調査するように」という指示を出しました。
公益通報者保護法違反に該当する調査を、斎藤知事が指示したことを認めたことで、審議は“詰んだ”と思われた。ところが、ここから彼は独自の持論を展開したのだ。
斎藤知事:私自身が文書を読んだときに、具体的な供述や信用性の高い証拠とか、そういったことが文章自体に書かれてないということが一点。それからもう一点、「噂話を集めて作成した」と元県民局長が供述していたと報告を受けましたので、外部通報で保護される要件に当たらないと判断した。(中略)私の認識としては、告発というよりも誹謗中傷性の高い文書だと思ってましたんで、それを作成した人を、その内容の意図などを含めて聴取することは問題ないと思っています。
百条委員会の委員長・奥谷謙一県議(自民党)が呆れて尋ねる。
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