メジャー史を塗り替える「43−43」達成でも、大谷翔平は「MVP当確」ではないのか…MLB屈指の名監督と“バッティングの師匠”が異論を述べるワケ

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三冠王と「43-43」

 その一方で、ブレーブスのマルセル・オズナが三冠王に輝いた場合、大谷を抑えてオズナがMVPに輝く可能性もあるとも指摘したのだ。

 9月5日現在のオズナの打撃成績は、打率3割0分5厘、37本塁打、98打点。打率は大谷を上回る2位で、ホームランは2位、打点は3位という位置に付けている。

 確かにMLBの長い歴史の中で、打点が公式記録となった1920年以降、三冠王は10人しかいない。それだけ難しいというわけだ。とはいえ大谷は「43−43」というMLBの歴史を塗り替える新記録を達成している。たとえオズナが三冠王を達成したとしても、どう考えても大谷のほうが偉業だと思ってしまう。だが、プホルス氏は違うようだ。

「大谷選手はホームラン王争いではトップですが、盗塁はレッズのエリー・デラクルーズ選手が61盗塁を記録しており、断トツのトップです。もしオズナ選手が三冠王、つまりホームランでも1位となると、たとえ大谷選手が『50−50』を記録したとしても、ホームラン王という『冠』はなくなってしまいます。つまり大谷選手は全てのタイトル争いから脱落してしまうわけです。プホルス氏は『三冠王のオズナと無冠の大谷を比較すれば、三冠王がMVPに輝くべき』と指摘したわけで、ある意味では当然の主張だと言えます」(同・記者)

来季の大谷は31歳

 大谷は来季、二刀流に復帰すると目されている。さらに来年の8月で31歳。つまり今後、投打の負担と年齢の問題から、バッターとしての大谷は徐々に下降線を辿る可能性があるのだ。第2回【メジャー新記録でも大谷翔平「MVP獲得」に相次ぐ反論…「MLBでDHは低評価」「ピッチクロックで走者が有利に」】では、そのことを熟知した大谷が「50−50」を狙った“クレバーな戦略”について詳報する──。

註:FOXが運営するスポーツ系ニュースサイト「OutKick」が9月3日に配信した「Buck Showalter Misses The Point On Francisco Lindor-Shohei Ohtani MVP Debate」との記事に掲載されたショーウォルター氏のコメントは以下の通り

"He can go 0-for-4 and win a game," Showalter said. "Those DHs can't go 0-for-4 and win a game."

デイリー新潮編集部

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