やす子さんには愛のない24時間テレビ チャリティーという大義名分を掲げる生放送の危険性があらわに
透けてしまう白いTシャツ、見物客からの痴漢行為……チャリティー×生放送はタレントにとってNOを言いづらい場所
批判の多い企画のオファーを受けたということは、やす子さんサイドにも相当の覚悟があったはず。台風だから中止します、と言われても、きっと消化不良な部分は残ったことだろう。
そもそもチャリティーという大義名分を掲げられて、断れるタレントはそうはいないのではないだろうか。下手な断り方をすれば悪評はあっという間にSNSで広まってしまう。特にやす子さんのように、ブレイク間もない若手タレントにとって好感度は大事だ。前向きに頑張りますという返事しかしようのない企画である。
ただ、24時間テレビは生放送。それは良くも悪くもうそのない姿を伝えてしまう。極度の疲労があったとしても、あまりに不機嫌な様子を見せれば反感を買う恐れがある。タレント側が心身ともに負担の大きい企画だからこそ、スタッフには万全の体制が求められるが、日テレ側には「始まってしまえばこっちのもの」といった慢心があったのではないだろうか。
問題視されたのは、やす子さんが安心して走れる環境づくりへの気遣いのなさである。具体的には下着が透けてしまう白いTシャツを着せたことと、途中でやす子さんの胸のあたりに触れた見物客がいたことだ。Tシャツの色は暗い道でも目立つようにとか、応援メッセージを入れた場合に目立たせたいなどの意図があったのだとは思うが、下着が透けてしまうことへの配慮がなかったと言われたら返す言葉はないだろう。ただでさえ汗をかく中、台風の影響で湿気もひどかった。せめてゼッケンなどの用意があればよかったのにと思うばかりである。
さらに怖いのは、走行中にやす子さんの体に手を伸ばしてきた男性の存在である。生放送で全国に放送されている以上、やす子さんが嫌な顔をしたり邪険に振り払うわけにはいかない。だからこそ周囲のスタッフがもう少し注意しておくべきなのに、男性の手はやす子さんの胸のあたりに触れてしまっている。一昨年はEXIT・兼近さんが、昨年はヒロミさんが、走行中に迷惑系YouTuberの「突撃」に遭っているが、タレントに危害を加えて注目を集めようとする人間がいてもおかしくない。やす子さんへのわいせつ行為に関して、日テレ側は「並走したガードランナーが対応いたしました」と冷たい回答で幕引きを図っているが、タレントと一般人とのもめごとには巻き込まれたくないという事なかれ主義が垣間見える。
次ページ:感動を呼び起こすため? 批判を防ぐため? 「かわいそう」演出はもうたくさん
[2/3ページ]