やす子さんには愛のない24時間テレビ チャリティーという大義名分を掲げる生放送の危険性があらわに

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 8月31日から9月1日にかけて放送された「24時間テレビ」(日本テレビ系)で、チャリティーマラソンを完走したお笑い芸人・やす子(26)。やす子さんへのおよそ「愛」のない演出から浮かび上がる、24時間テレビの危険性とは。

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「愛は地球を救うのか?」と疑問形で始まった今年の「24時間テレビ」。ふたを開けてみればティーンからM3・F3層まで個人視聴率もトップ、瞬間最高視聴率も昨年を上回る25.4%をたたき出した。さらにやす子さんのチャリティーマラソンでは従来の募金とは別に「マラソン児童養護施設募金」が設立され、募金額は4億円を突破したという。系列局である日本海テレビ局員による着服問題をはじめ、台風10号が接近中だというのに強行する日テレの姿勢には批判も多かったが、スタッフ側はほっと胸をなで下ろしているのではないだろうか。

 つい最近ではフワちゃんによる舌禍事件もあり、目玉企画のランナーを務めるやす子さんへの注目は集まっていた。台風の影響を考慮して、参加予定だった市民ランナーのイベントは中止するも、やす子さんのコースは日産スタジアムを75周してから国技館に向かうという、いっそう過酷なものに。代わり映えのしない景色の中で走るやす子さんにも、それを見せられる視聴者にも、およそ「愛」のない演出だと不満の声が上がっていた。

 マラソンに関しては従来から批判的な声が上がっていたが、今年も続行されることになった背景には、番組のメイン企画だからこそ安易に中止できないという事情があったのだろう。

 また、特に今年は絶対にやらなくてはいけないと日テレ側は考えていたに違いない。着服事件で落とした信頼回復のためには、寄付先がはっきり明示されている企画が必要だったからだ。やす子さんは児童養護施設で過ごした経歴を持っているため、寄付先の設定理由も無理なく説明がつく。日テレとしては、どうしてもやす子さんに走ってもらわなくてはならなかっただろう。

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