「きんに君」一強時代は終わった…最高レベルの筋肉量を誇る大注目「マッチョ芸人」とは

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鍛えるのに夢中

「大男 総身に知恵が回りかね」という言葉もあるように、筋肉芸人は体を鍛えるのに夢中になりすぎて、頭の回転が悪くなり本業のお笑いが疎かになっている、というイメージもあった。

 ただ、ダウンタウンの松本人志が体を鍛え始めてから、そのようなイメージも少しずつ変わってきた。最近では、ミルクボーイの駒場孝、マヂカルラブリーの野田クリスタルのように、「M-1グランプリ」チャンピオンの筋肉芸人まで出てきている。

 野田はいまや、きんに君と肩を並べる筋肉芸人界のキーパーソンである。というのも、彼は自ら発案した「クリスタルジム」というパーソナルトレーニングジムの運営に携わっているからだ。そこでは、彼をはじめとする筋肉芸人たちが、お客さんを相手にトレーニングの指導をしてくれる。筋肉芸人たちが安心して働ける環境を用意しつつ、筋トレの魅力を多くの人に広める啓蒙活動を行っているのだ。

 そんな野田も認めるいま売り出し中の筋肉芸人が、お笑いトリオ・かけおちの青木マッチョだ。青木は筋肉芸人界でも最高レベルの筋肉量を持っているのだが、服を脱いで筋肉を見せるのを恥ずかしがる内気な性格。マッチョを名乗りながら筋肉を見せることに抵抗を感じるという独特のキャラクターで人気を博している。彼は人気番組「ラヴィット!」(TBS系)にも出演しており、今後の活躍が期待されている。

 なかやまきんに君の一強時代を経て、松本人志が筋肉芸人のイメージを一新し、今では筋肉芸人のジムが作られ、新世代の筋肉芸人も出てきた。新しい人がどんどん出てくることで、筋肉芸人の歴史はこれからも更新されていくのだろう。

ラリー遠田
1979年、愛知県名古屋市生まれ。東京大学文学部卒業。テレビ番組制作会社勤務を経て、作家・ライター、お笑い評論家に。テレビ・お笑いに関する取材、執筆、イベント主催など多岐にわたる活動を行っている。お笑いムック『コメ旬』(キネマ旬報社)の編集長を務めた。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり〈ポスト平成〉のテレビバラエティ論』(イースト新書)、『逆襲する山里亮太』(双葉社)『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)など著書多数。

デイリー新潮編集部

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