両リーグ最多「22失策」で「バント攻め」の餌食に…阪神優勝のカギを握る「佐藤輝明」、岡田監督ガマンの采配はいつまで続くか
勝因も敗因も佐藤
夏の長期ロードは8勝14敗1分けと大きく負け越してしまった。その長期遠征の最終戦である8月28日のDeNA戦後、阪神・岡田彰布監督(66)が吠えた。
「そら、4番が打てへんからや。打てへんやろ、ずっと。よう(4番で)使ったほうやで」
“我慢して使い続けた4番”とは、佐藤輝明(25)のこと。トラの終盤戦、ひいては、首位戦線に喰らいつけるかどうかも「佐藤の攻守次第」と言えそうだ。
「8月の長期ロードを終え、ようやく甲子園球場に戻って試合ができたのが8月31日。その日の巨人戦は佐藤の3ランホーマーで逆転勝利し、2戦目の9月1日は佐藤のエラーがそのまま敗戦につながりました」(在阪記者)
同点となった6回の巨人の攻撃。先頭の大城卓三(31)が三塁内野安打で出塁。続く吉川尚樹(29)が三塁にバントで球を転がしたところ、佐藤が悪送球。無死一、三塁から、その後も三打者連続でバント攻撃を仕掛けられ、2点を失った。
勝因も、敗因も佐藤。そのため、阪神戦は「サトテル劇場」とも言われている。三塁手・佐藤が捕球し、一塁に送球してアウトがコールされるだけで、安堵のため息をつくスタンドのファンも出始めた。
そんな佐藤の8月の月間打率は2割8分7厘、本塁打6、打点21。得点圏打率は4割1分9厘と高く、一時期は5割を超えていた。月の後半に向かって成績が落ちてきても、岡田監督が4番で使い続けた理由はこのあたりにある。
「5月は守備のミスが目立ち、二軍降格も味わいました。再昇格後、打撃面で力みがなくなり、鋭い打球を飛ばすようになったんですが、守備でのミスはなくなりませんでした」(前出・同)
目下、佐藤の失策数は12球団トップの「22」(5日現在、以下同)。三塁に固定された昨季は「失策20」を記録したが、121試合で自己ワーストを更新してしまった。また、セ・リーグ三塁手部門で失策2位はヤクルト・村上宗隆(25)の14個。パ・リーグでは日本ハム・郡司裕也(26)の「11」がワーストだから、いかに佐藤のエラーが突出しているかが分かる。
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