都道府県別「企業が儲かっている」ランキング 東京は4位という意外な結果に

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売上高経常利益率ナンバー1の佐賀県

「経常利益の金額自体は東京都の中央値が約1663万円で突出して高くなっています。ただ、“売上高経常利益率”が最も高いのは3.18%の佐賀県なのです」(藤本氏)

 これは、やや意外に思われる方も多いかもしれない。ちなみに2位が福井県で3.00%、3位が島根県で2.99%、4位が東京都で2.95%、5位が富山県で2.79%という順位となっている。(いずれも値は2022年のもの)

 佐賀県と聞いて思い浮かぶのは、佐賀牛、有明海のムツゴロウ、お笑い芸人の「はなわ」のご当地ソング、Snow Manの佐久間大介が好きなアニメとして挙げる「ゾンビランドサガ」など色々とあるが、失礼ながら“地元の有名企業”と呼ばれるような会社はあまり思いつかない。なぜ、佐賀なのか――?

「地元向けのディスカウントストアを展開するダイレックスや、体外診断用医薬品を製造するミズホメディーなどが売上高に比べて大幅な経常利益を上げ佐賀県全体の指数を押し上げています。他にも地元の医療法人や地方局のサガテレビなど、手堅い経営を行っている企業が多い印象です」(同)

 2位に名前のあがった福井県も、優良企業が多いのだという。

「北陸最大手の総合商社・三谷商事や、繊維の染色や樹脂加工を手掛けるセーレンなど、こちらも堅実な経営で知られる企業が多い」(同)

地方が少子高齢化を生き延びるためには

 ここ最近では、台湾企業「TSMC」の巨大工場が完成し半導体バブルに湧く熊本県や、同じく最先端半導体の製造を目指す「ラピダス」が千歳市に工場を建設中の北海道などにも注目が集まっている。

「政府はこれまで、経営の厳しい企業に対し、銀行に積極的な資金繰り支援融資を促すなどし、倒産件数を抑制する政策を実行してきましたが、今は会社の事業の収益性をより重視する方向にシフトしています。場合によってはM&Aによって業界再編を促すなど、企業により筋肉質な経営を求める傾向にあります」(同)

 そうした流れを地方経済に当てはめた場合、重要なキーワードが「人口の動向」だという。

「先ほど名前を挙げた佐賀県は、出生数から死亡者数を引いた人口は減少傾向ですが、転入者数から転出者数を引いた人口は逆に増加傾向にあります。こうした現象を“自然減少・社会増加”と言い、地域の活力を示す1つの指標となります。少子高齢化でこれから厳しい時代を迎える日本において、地方は都心部よりさらに厳しい戦いを強いられることになります。そこで重要なのが、地元の雇用を創出し人口の社会増加に貢献する地元企業が、しっかりと利益を上げ存続していくことなのです」(同)

 今後も「売上高経常利益率」ランキングの行方に注目したい。

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デイリー新潮編集部

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