運営元の大誤算!? 台風とキャリーオーバーが引き起こしたサッカーくじMEGA BIGの異常事態
9月2日に当選結果が発表されたサッカーくじで異例の事態が起きた。お祭り騒ぎとなったのは第1476回の「MEGA BIG」。売上金額が約47.1億円だったのに対し、払い戻しの総額が約81.9億円と、“胴元”が大幅赤字という結果になったのだ。SNSではこうした結果を見越し「数千万円分くじを購入した」と報告する人も飛び出した。一体なにが起きていたのか――?
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売り上げが過去最高に
「MEGA BIG」は先に販売されていた「BIG」から派生し、2020年2月にスタートしたサッカーくじだ。試合結果でくじの当落が決まる点は、試合結果を自分で予想する「toto」と同じだが、BIGやMEGA BIGの場合は、予想は完全にコンピュータ任せ。どういう予想の組み合わせになっているかは、購入した後でないと分からない。
BIGは、対象となる複数の試合の「勝ち」「負け」「引き分け」の組み合わせなのに対し、MEGA BIGは両チームの合計点数が「1点以下」「2点」「3点」「4点以上」の組み合わせがランダムで割り振られる。
組み合わせが多い分、当選確率もMEGA BIGの方が低い。ちなみにBIGの1等確率は4,782,969分の1で、MEGA BIGは16,777,216分の1となる。どちらも一口300円で、BIGの最高6億円に対し、MEGA BIGは倍の最高12億円という高額当選がウリとなっている。
この高額当選を可能としているのが「キャリーオーバー」という仕組みだ。これだけ当選確率が低いと、1等が0口という回もしばしばあり、その場合は集まった掛け金が次回以降の当選金額として繰り越される。そうして膨れ上がったMEGA BIGのキャリーオーバーは実に58億円を超えていた。
そこに、台風10号によるサッカーの試合中止が重なったことで、「多額のキャリーオーバーが発生しているにも関わらず、的中の必要な試合数は少ない」という、購入者側に有利な状況が生まれたのである。
いつもより256倍当たりやすかった
MEGA BIGの対象試合は、通常「最大12試合」と決まっているが、今回は悪天候で4試合が中止となり、対象試合は8試合のみとなった。そのため1等の当選確率が12試合の時と比べ256倍も高い、約65,000分の1まで上がったのだ。
このチャンスに気付いた人がXなどにポストした結果、普段はくじを買わない人たちまでMEGA BIGの購入に走ったことで、売上は過去最高の約47.1億円を記録。1等の当選口数も269口と正に「当たりまくり」の事態となったのである。
当選口数に応じ、1等の当選金額も約2400万円と通常時よりも安くなったものの、還元率は約170%に。期待値(掛け金に対して確率的に得られる平均値)の上では1億円買えば1.7億円になって返ってくるという“バグ”とも言える状況が生まれたのだ。
ただ、いくら当選確率が上がったとしても「くじはくじ」。1口300円のくじが2400万円になる確率は約0.0015%と、決して高い確率ではない。
しかし、これが100万円分買った場合では、1等の当選確率が約5%、1000万円分では約50%にまで跳ね上がる。つまり、賭ける金額が高ければ高いほど「期待値」に収束するというわけだ。
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