今日のヤクルト戦、先発の「山崎伊織」に必要なものとは…「浅野翔吾」の2番にはやっぱり反対【柴田勲のコラム】

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やっぱり浅野の2番には反対

 前回の今コラムで浅野翔吾の2番には反対だと記した。2番打者には送りバント、エンドラン、一塁走者の盗塁を助けるなど、時にいろいろなことが要求される。

 8月31日の阪神戦、巨人は2回に無死一、二塁のチャンスをつかんだ。打席に立ったのは浅野、巨人ベンチはそのまま打たせて右飛に終わった。前の打席で二塁打を放っていた。期待したのだろう。

 これは痛かったが、送りバントのサインが出ても送れなかったのではないか。そういうタイプではないし、器用でもない。こんな場面ではセーフティーや二塁にプッシュバントをやってみようか。こんな考えが浮かんでもおかしくないが、浅野にはまずないだろう。2軍でもやっていないと思う。

 浅野は高校時代からパワフルな打撃を持ち味にしてきた。長打力の持ち主だ。それが魅力の選手だ。プロ入りしてからも打撃スタイルは同じだ。

 阿部慎之助監督は「自由に伸び伸び打たせたい」という方針のようだが、それならば2
番より1番がいい。

 もっとも丸佳浩が1番に定着してから巨人の調子が良くなった。阿部監督は丸の1番と岡本和真の4番だけは替えたくないはずだ。

 ならば6番を打っている吉川尚輝を2番にして浅野を6番にする手もある。吉川はどんな状況にでも対応できる。

 高卒プロ入り2年目で2番はどうか。浅野は「打ったら儲けものだ」と割り切って7、8番あたりで起用し続ける。速い球にも対応できるようになり、打率2割7~8分、本塁打を20本くらいの実績を残したら、将来は5、6番で使う。これが一番だと思うのだが。

カギを握るのは岡本和と戸郷

 巨人は3日からヤクルトと京セラで2試合、岐阜に移動しての3連戦、7、8日は東京ドームでDeNA2連戦だ。

 下位チームに対する負け越しは許されない。残り24試合、一試合一試合が大事になる。

 カギを握るのは打線ではなんといっても岡本和だ。腰痛を抱えた坂本勇人が調子を落としてきたからなおさらだ。投手陣では戸郷だろう。ここ2試合勝ち星から見放されているが、エースで勝つとチームは活気づく。

 3日の先発は山崎か。雑念を振り払って、とにかくストライク先行でいってほしい。ムダな四球だけは絶対に避けることだ。

 今年は巨人創設90周年の記念イヤー、フロントの人たちも熱気が込もっている。OBも同じだ。私も大いに期待している。

 頑張ってもらいたい。

(成績などは2日現在)

柴田 勲(しばた・いさお)
1944年2月8日生まれ。神奈川県・横浜市出身。法政二高時代はエースで5番。60年夏、61年センバツで甲子園連覇を達成し、62年に巨人に投手で入団。外野手転向後は甘いマスクと赤い手袋をトレードマークに俊足堅守の日本人初スイッチヒッターとして巨人のV9を支えた。主に1番を任され、盗塁王6回、通算579盗塁はNPB歴代3位でセ・リーグ記録。80年の巨人在籍中に2000本安打を達成した。入団当初の背番号は「12」だったが、70年から「7」に変更、王貞治の「1」、長嶋茂雄の「3」とともに野球ファン憧れの番号となった。現在、日本プロ野球名球会理事を務める。

デイリー新潮編集部

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