「メタノールで妻殺害」初公判 「第一三共」元エリート研究員は無罪主張 家庭内は「不倫」「風俗通い」で修羅場だった…妻は夫に「臭い」と消臭スプレー

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妻が苦しむ最中、風俗嬢にLINEを送っていた吉田被告

 逮捕から2年経った9月2日、東京地方裁判所で開かれた裁判員裁判の初公判。吉田被告はグレーのスーツに青のネクタイをして法廷に現れた。逮捕時と髪型は変わらず、長い前髪が目の辺りまでかかっていた。

 検察官が起訴事実を読み上げた後、証言台に立った吉田被告はきっぱりこう述べた。

「すべてが間違っています。私は妻に殺意を抱いたこともないし、妻にメタノールを摂取させたこともありません」

「私はすべて正直に答えてきました。何一つ嘘をついていません」

 弁護人も「容子さんは自分でメタノールを摂取して亡くなった」と無罪を主張した。

 検察側は冒頭陳述で、容子さんに募らせた憎しみが殺害動機になったと訴えた。容子さんは吉田被告が風俗店に通うことや生活費を出さないことに、吉田被告は容子さんの喫煙癖や浪費癖に不満を持ち、家庭内別居状態に陥っていたと述べた。

 一家は2018年から2年間、吉田被告の留学でアメリカ生活を送ったが、帰国後も吉田被告の風俗店通いは続き、A子という風俗嬢に入れ込むようになったという。そんな吉田被告を容子さんは「気持ち悪い」「梅毒」となじりながら携帯で撮影・録音。さらに子供のいる前で消臭スプレーをかけ、家から閉め出したり、息子と会話するのを邪魔することが度々あったと述べた。

 そして事件前日の1月13日、吉田被告が勤務する会社の研究室に2リットルの高濃度のメタノールが持ち込まれていたと明かした。それを吉田被告が自宅に持ち込み、14日夜から翌日未明にかけて、容子さんが日頃から飲んでいた紙パックの焼酎に混入させて摂取させたと推定した。

 16日午前7時40分に吉田被告が119番するまでの1日以上の間、容子さんは嘔吐したり、自室で服を脱いで失禁したり、水風呂に入浴。またうめき声をあげてベットから落ちたりしながら中毒症状に苦しんでいたが、放置し続けたとも主張した。この間、吉田被告がA子にLINEを送っていたことも明かした。

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