「日本の音楽市場を狙い撃ち」 韓国の芸能事務所スカウトマンが血眼になって探す「K-POPアイドルの卵」
“元祖”はTWICE
K-POPアイドルグループの多国籍化が進む中、日本人メンバーの“逆輸入”現象が目立ってきた。ENHYPEN(エンハイプン)のニキ、LE SSERAFIM(ルセラフィム)のサクラ(宮脇咲良)とカズハ、Kep1er(ケプラー)のヒカルとマシロ、IVE(アイヴ)のレイ、TREASURE(トレジャー)のヨシとアサヒとハルト、RIIZE(ライズ)のショウタロウ、BABYMONSTER(ベイビーモンスター)のルカとアサなど今や一大勢力となっている。
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この元祖とも呼べる存在が大手事務所JYPエンターテインメント所属のTWICE(トゥワイス)だ。現地オーディション番組「SIXTEEN」で選抜された韓国人5人、日本人3人、台湾人1人で構成されるガールズグループで、2015年10月20日にデビュー。日本人メンバーのミナ、サナ、モモはそれぞれ兵庫県、大阪市、京都府出身。大ヒット曲「TT」を引っ提げて2017年に日本デビューを果たすと一気に大ブレイクし、日本の音楽市場でもスター街道を歩んだ。TWICEは、日本人メンバーがK-POPアイドルとして日本に逆輸入される現象の嚆矢となったのだ。
K-POPに詳しい音楽ライターがこう指摘する。
「TWICEの大成功で、JYPは日本にローカライズされたアイドルグループの育成に取り組み、ソニー、日本テレビと組んだオーディション『虹プロジェクト』の結果、日本人メンバー9人で構成されるガールズグループ・NiziU(ニジュー)がデビューしました。メンバーのマコ、リマ、ミイヒはもともとJYPの練習生でしたから、文字通りの“逆輸入”アイドルとなったわけです。TWICEのミサモ(ミナ、サナ、モモ)が日本人でもK-POPアイドルになれるという夢を実現させたことで、日本からのK-POPアイドル志願者が激増。K-POPアイドルになるという夢を抱いて、大勢の日本の若者が韓国に渡りました」
東京・新大久保のK-POPダンススクール「KPDS」に通うマナさん(仮名、23歳)もK-POPアイドルに憧れて週2回、同スクールのスタジオで汗を流している。これまで受けたオーディションは180回を超えるというが、まだ1度もデビューのチャンスに巡り合っていない。それでも夢は諦めきれない、と言う。
「BTSのダンスを見て衝撃を受けて、女性版BTSのようなグループが企画されたら絶対に加わりたいと思っていました。今は(G)I-DLE(ジー・アイドゥル)のソヨンさんのようにボーカル、ダンスだけではなくプロデュースもできるようなアイドルに憧れています」
HKT48、日韓合同グループのIZ*ONE(アイズワン)を経た宮脇咲良は2022年にLE SSERAFIMとしてデビュー。当時24歳だからマナさんとは年が近い。「さすがに宮脇さんとはキャリアが全然違いますが、最近、スクールで上級者クラスに昇格できたので一段とレッスンに力が入るようになりました。K-POPアイドルの幅が広がっているので、23歳の私にも何かしらのチャンスが来ることを信じています」。
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