「西武」歴史的低迷に「勝率3割台はフロントの責任」…元「ヤクルト主砲」が明かすライオンズの黄金期「投手も打者も完璧で圧倒された記憶しかない」

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上司はどっちを向いている?

 やはり広澤氏の話を聞けば聞くほど、西武の現状が信じられない。一体、球団の中で何が起きているのか訊くと、「ローマは一日にして成らずという格言があります」と言う。

「勝率3割台も同じように“一日にして成らず”です。勝率3割台の責任は現場に、特に選手にはないと断言してもいいでしょう。これだけ負けるのは、選手ではなくフロントに問題があると言わざるを得ません。それも長い時間をかけて、ゆっくりとチームを蝕んでいったのだと思います。もし西武が本気でチームを立て直す気があるのなら、ドラフト、育成、チーム編成の3点が特に問題があるはずなので、抜本的な改善を行うべきです」

 広澤氏は公認会計士の藤間秋男氏が上梓した『100年残したい日本の会社』(扶桑社)を読み、文中で紹介されている企業のうち、数社を訪問したことがあるという。

「業種は様々でも、共通点があることに気づきました。それはトップから新入社員、場合によってはパートの皆さんまで、誰もが同じ方向を向いているんです。同じ目標を共有し、ごく自然に一致団結しているわけです。考えてみれば1993年のヤクルトも同じだったかもしれません。プロ野球選手には会社員と同じところがあり、『上司が誰を向いて仕事をしているか』には敏感です。西武のフロントは選手のほうを向いて仕事をしているのか、はたまた別のほうを向いているか、彼らはちゃんと分かっています。西武の選手が自然に一致団結できる環境を作れるかどうかにチームの未来はかかっていると思います」

デイリー新潮編集部

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