「腰痛の85%は原因不明」 病院で治らない腰痛を自分で治すための「三つのエクササイズ」

ドクター新潮 ライフ

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腰痛改善に重要な「コルセット筋」

 ところがこのプログラムが不調で、インナーマッスルのサボり癖がついている人の場合、指揮者のタクトが振られても筋肉たちが十分に働いてくれず、脊椎や筋肉に負荷が加わって腰痛を引き起こしてしまう。このようなプログラム不調は、日頃の運動不足や、けがや病気で安静にしている期間が長かったり、あるいは妊娠・出産でいつもとは違う生活を送っていたりするケースで生じやすくなります。

 この脊椎を安定させてくれるインナーマッスルは「コルセット筋」とも呼ばれ、文字通りコルセットのように腰回りを支えています。具体的には体幹を取り囲んでいる腹横筋と、背骨に直接ついている多裂筋です。

 従って、腰痛を改善するには、このプログラム不調を直し、コルセット筋を動きやすくすることが重要になってきます。

 それでは、コルセット筋を目覚めさせるにはどうすればよいのでしょうか。筋肉は使えば使うほど動きやすくなるので普段から腹横筋を使うことが大切です。

基本中の基本は……

 基本中の基本として私が推奨しているのが、お腹を引っ込めるという意味の「ドローイン」です。

 まず、仰向けになって膝を立てます。その状態で、床と腰の間にできる空間に手を入れ、入れた手を押しつぶすようにして、できるだけ空間が生じないようにおへその辺りをへこませてください。そのまま軽く息を吐いて10秒程度姿勢をキープする。こうすることで眠っていた腹横筋が働きだします。

 その状態から右脚を真っすぐ斜め上に上げてやはり10秒キープ、ゆっくり下ろして同じ動作を左脚で行う。この「脚上げドローイン」を行うことで、腹横筋を効かせながら脚を動かす練習をしましょう。

 ドローイン、脚上げドローインともに、3回を1セットとして1日数セット行うだけで、サボり癖はかなり直っていくはずです。

 さらに腹横筋に加えて多裂筋を目覚めさせるには、「ハンドニー」が効果的です。四つん這いになり、骨盤が左右に傾かないように意識して、左腕を前に真っすぐ伸ばし、同時に右脚も後ろへ伸ばして10秒キープする。一旦、腕と脚を下ろして、今度は右腕、左脚で同じことを繰り返す。これも3回1セットを1日1~3セット継続すれば、多裂筋は徐々に目覚めていくでしょう。

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