知らぬまにスピード超過で“法律違反”状態に…電動キックボードの黒船「Lime」に“4つの問題点” 運用会社の見解は
8月19日から東京都の一部エリアで、電動キックボードのシェアリング「Lime」のサービスが始まった。すでに先行する「LUUP」には賛否の声が上がっているが、「Lime」についても、利用者からは気がかりな証言が聞こえてくる――。
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実際に利用したユーザーの感想は
Limeはアメリカ・サンフランシスコ発のサービス。日本ではまだ馴染みが薄いが、世界280都市でサービスを提供している業界最大手だ。日本では渋谷区、新宿区、目黒区、世田谷区、豊島区、中野区の一部エリアでサービス提供を開始し、今後利用エリアを拡大していくという。料金は100円+1分30円という基本料金のほか、1時間890円などのパック料金がある。
「新しいものが好き」という都内の会社員Aさんは、LUUPが電動キックボードのサービスを始めた2021年からのヘビーユーザー。タクシー移動よりも融通が効き、移動先で車両を返却できる手軽さにハマっているそう。Limeのサービス開始をニュースで知り、Aさんはさっそく“試運転”したという。
現時点で投入されているLimeの車両はまだ合計200台。利用できるエリアも都心の一部に限られており、Aさんは三軒茶屋駅の近くのポートから利用したそうだ。
利用したのは国内では初導入という、座って乗ることのできるキックボード。
「立ったまま乗ることも、座ってスクーターのように乗ることもできて、乗り心地は悪くなかったですね。荷物入れがあるのも便利でした。座席があるぶん普通のキックボードよりも車両が重めで、安定感があったように思います」(同)
と車体については好印象。だがLUUPユーザーだけに、いくつか気になる違いにも気づいたという。
「Limeを利用するには車両のQRコードを読み取るのですが、初回時はアプリで免許証の登録と交通ルールのテストを受ける必要がありました。ただ、5分程度で済み、ずいぶんあっさりした印象でした」(同)
初回利用時の“交通テスト”はわずか6問
Aさんの「あっさり感」には一理あった。Limeの乗車前テストの設問は計6問。対して現在、LUUPを利用するには11問をパスしなくてはならない。しかも、Limeの場合には、回答を間違えてもやり直しになるわけではなく、続けて別の選択肢をタップしテストを続け、そのままクリアできてしまうのだ。
昨年7月の道路交通法改正の規制緩和により、電動キックボードは運転免許証の必要な「原付」扱いから、「特定小型」となり、一定の条件をクリアすれば免許なしで乗ることが可能となった。だからこそ厳密な交通ルールテストが求められるはずだが……。
業界団体である「マイクロモビリティ推進協議会」に、テストについて尋ねると――。
「交通ルールテストについては、マイクロモビリティ推進協議会に加盟している全事業者に対して、警察庁とともに作成したひな型を提供し、それに基づいて運用することとなっています。これは、道路交通法と関係事業者に遵守が求められるガイドラインに基づく取り組みです。テスト内容は警察庁が監修し、カバーすべき項目についてフィードバックを経て構成されており、各社には漏れなく記載することを求めています」
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