「河野が頭を下げたから」麻生氏が河野氏支持に傾いた背景とは

国内 政治

  • ブックマーク

異端児で反逆児

 自民党で唯一、派閥として残っている麻生派のボス・麻生太郎自民党副総裁は所属する河野太郎デジタル相を推すことを表明した。マイナンバーカードやマイナ保険証などへの対応で不手際が指摘され続けた河野氏は「すでにピークは過ぎた」との指摘も少なくない。そんな河野氏を支持すると麻生氏が表明した背景には何があったのか。

「麻生派内で異端児として振る舞い、派内で良好な人間関係を構築することもなかなかしてこなかった河野氏ですが、今回は初めて麻生氏や幹部に頭を下げたそうです。“今回の総裁選ではよろしくお願いします”と。それを受け、麻生氏は河野氏を派閥推薦候補として認めたということでした」

 と、政治部デスク。

「麻生派は河野氏の父・洋平氏が率いていた河野グループを源流としており、麻生氏としては河野氏を預かっているという認識があるのでしょう。異端児と言いましたが反逆児のようなスタンスもあり、2021年の総裁選の決選投票で岸田首相に敗れた後も派内の支持は拡大していませんでした」(同)

河野はまだ早い

 その後はデジタル相として担ったマイナンバーカード問題への対応で批判を浴び、世論調査でも支持を失っていった。X上での傍若無人な振る舞いもしばしば問題視されるところだ。

「麻生氏もそのことは肌で感じていたことでしょうし、今回の総裁選で勝ち馬に乗るという意味では河野氏の支持に回るのは作戦として間違っているのかもしれません。それでも洋平氏との関係や河野氏が初めて丁寧に頭を下げ、加えて代名詞となっていた脱原発の旗を下ろすということも踏まえれば、麻生氏に河野氏支持以外の選択肢はなかったと言えるでしょう」(同)

 もっともその決断には逡巡(しゅんじゅん)もつきまとったようだ。

「麻生氏自身、“河野はまだ早い”と話していました。まだまだ経験が足りないということでしょう。あるいは今出ても当選できないということかもしれませんが、一方で河野氏の側には焦りがあったと思います。世代交代が一気に進むことで存在を忘れられてしまうのではないかという恐怖ですね」(同)

次ページ:ピークは過ぎた河野氏

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。