「資金100億円でもまだ足りない」 投資家・テスタが明かす日本株にこだわる理由と賃貸住まいのワケ

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 20年前のフリーター時代に元手300万円で始めた株取引の累計利益は、今年2月に100億円を突破。これまで「負け越した年はない」というカリスマ投資家、テスタ氏の投資哲学を聞いた。

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 僕が目指しているのは、とにかく最大利益を更新し続けることです。一般の方でいう「仕事」が、僕にとっては投資なので、そこで結果を出すことにこそ喜びを感じます。欲しいものがあればふつうにお金は使いますが、願わくば、資産のピーク時に死にたいと考えている。

 ですから、銀行にはすぐに引き出せる分を預けているだけで、資産の9割以上は、自分が一番得意とする株式投資に充てています。それも、買うのは国内の個別株ばかり。コロナ前に2億円分だけアメリカの大企業の株を買いましたが、“日本に万一のことがあったときのため”でしかなく、そこで儲けようとは思っていません。現状で4億円にまで増えているとはいえ、その分を国内株で運用していたら、もっと利益を得られていたはず。少なくとも今の僕にとって最大効率で利益を上げられる手段は、国内の個別株に集中することなんです。

「日本で暮らしているからこそ予測できるものがある」

 それだけ日本株にこだわるのは、世の中の出来事や空気感から、その後の影響を連想して購入銘柄を選んでいるからです。

 例えば、某中古車販売最大手の不祥事によって、業界全体の株価が下がったとき。発想を変えれば、不祥事企業の顧客が流れて来るであろう業界2番手、3番手の株を安く買うチャンスとも取れるわけです。“横並び”で不祥事に見舞われるリスクを孕んではいても、その場合は個別企業の責任はそこまで追及されない可能性もあるなと。

 あるいは、少し先に日銀の金融政策決定会合があるから、金融緩和の修正に備えてメガバンクの株を買っておこうかと考えたり、米大統領選の行方から日本株への影響を連想したり。

 やはり、日本で暮らし、空気を肌で感じているからこそ、その先に予測できるものがある。この8月の株価急落についても、それまでの上昇ぶりに鑑みれば、いつか大きな下落が訪れること自体は分かっていた。だから、今回は僕も数億円の損失を出していますが、特に気にすることはありません。大事なのは、どんな局面でも冷静に“その先”を予測し、判断することだと思っています。

 こうした“アイデア勝負”のスイングトレード(数日から数週間で利益を確定させる取引)に6~7割くらいの資金を投じ、残りの3~4割で、高配当の安定株を長期保有するのが、大まかなポートフォリオといえるでしょうか。

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