「部下に厳しく当たったのは県民のため」…斎藤兵庫県知事、パワハラ疑惑を一蹴 ついに維新が追求も、辞職の意思はなし

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 8月30日、パワハラなどの疑惑を内部告発された兵庫県の斎藤元彦知事(46)が、ついに百条委員会(県議会の調査特別委員会)に証人として出頭した。もっとも、県職員らは「これまでの会見同様、知事は鋼のメンタルで乗り切るんでしょう」と冷めた予測をしていた。果たしてその通りとなったのだが、これまでとは違う意外な展開も見られた。

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 斎藤知事の証言は、相も変わらず“安定”していた。県内の施設に出張した際、エントランスの20メートルほど手前で車を降りて歩かされたことに激怒し、職員らを怒鳴りつけたというパワハラ疑惑については、

斎藤知事:当該のエリアが車両進入禁止という認識がなく、「なぜ車止めをどけなかったのか、どけるのを失念していたのではないか」とそれなりに強く指摘させていただいた。歩かされたから怒ったのではない。急いでいたこともあり、円滑な車の進入をきちんと確保していなかったことを注意した。

 職員はどうすれば叱責されずに済んだのか?――という問いには、

斎藤知事:車止めをどけるか、車止めのところで職員が待つべきだった。

 過大な要求とは思わないか?

斎藤知事:車の進入禁止エリアとは知らされていなかったので、当時としては過大な要求ではなく、合理的な指摘だった。

 深夜や休日に会議用アプリのチャットで、県職員に繰り返し叱責や指示のメッセージを送っていたという疑惑については、

斎藤知事:チャットはメールですので、忘れないうちに備忘録的に送った面があるにしても、最後に「レスポンスは明日でいい」ですとか「週明けでいい」ですとか、そういったところは丁寧に書くべきだったと思います。やっぱり職員は一生懸命、仕事をしようと頑張りますので、急いでレスをしなければならないという空気感になっていたんだとすれば、私はそこは反省しなければいけない。そういった対応を負担に感じていた職員がいるとすれば、お詫びしたいなと思います。

維新の逆襲

 あくまでも「県民に負託された県政を推し進めるのに一生懸命だったのだから、自分は悪くない」という構えである。だが、そこに切り込んだ議員がいた。

 日本維新の会の佐藤良憲県議(43)である。

佐藤県議:先ほどの“20メートル”の件でも「急いでいた」と知事はおっしゃいましたが、公用車の運転手や随行者は現地までの時間を調べて余裕を持って出発していると思うんですよ。知事は事前に決めた出発時間に遅れてくることはありますか?

斎藤知事:はい、そういうこともありますね。

佐藤県議:そうなるとですね、ご自身は遅刻してくる、でも(到着が遅れた)部下には指導するって、なかなか成立しないと思うんですよ。どう思いますか?

斎藤知事:いつも遅れるってわけではないのですが、ご指摘はごもっともだと思います。

佐藤県議:われわれはこれまで知事の証言を聞いていて、知事は基本的に遅れてくると認識しています。遅れてくる以上、自分にも非はあるわけですから、部下を責めるべきなのか。その際に知事が遅れたから行程がズレた、もしくは遅れて不機嫌になった、この状態で怒られる職員というのは理不尽な指導だと思います。現時点ではっきりしているのは、ご自身は遅刻することがある、でも部下には指導する、これって矛盾していますから。部下を指導するのであれば、ご自分は時間を守っていただきたい。

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