「僕は独りぼっち」 逝去のアラン・ドロンさんが“最後に愛した”日本人女性に語った悲痛な叫び 望み通り愛犬が眠る礼拝所に埋葬
フランス・パリ近郊にある人口1000人ほどの小さな町・ドゥシー。8月18日(現地時間)に88歳で亡くなったフランスの名優、アラン・ドロンの邸宅前には、多くのファンが詰めかけていた。
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2017年に映画界からの引退を示唆し、久しく表舞台から遠ざかっていたドロンの動向が注目を集めたのは21年9月のこと。フランス映画界における盟友、ジャン=ポール・ベルモンドの葬儀に姿を現したのだ。この際ドロンに同行したのが、過去17年にわたりドロンと仏中部ドゥシーの邸宅で生活をともにしてきたヒロミ・ロランさん(67)である。
国民的スターに寄り添うアジア人女性の存在をフランス国民が知ったのは、これよりわずか2カ月前のことだった。
「7月1日にフランス国際放送のTV5MONDEが、ドロンの特集番組『アラン・ドロン 世界を前に』を放送したのです。インタビューが中心の1時間番組で、収録場所はドゥシーの自宅でした。ドロンがメディアの取材を受けるのは久々でしたが、それ以上にプライベートに関する意外な発言が世間の耳目を引きました。ドロンは初めて“日本人の連れ合い”との表現で、長らく同居する女性の存在を明かした。それこそが、ヒロミでした」(地元紙記者)
3人の子どもがヒロミさんを刑事告訴
そんなヒロミさんの平穏が破られたのは昨年の夏だ。
ドロンには3人の子どもがいる。最初の妻であるナタリー・ドロンとの長男・アントニー(59)、事実婚関係だったロザリー・ファン・ブレーメンとの長女・アヌーシュカ(33)、次男・アラン=ファビアン(30)である。
昨年7月5日、この三人は連名でヒロミさんをドロンに対する「モラル・ハラスメント」、「信書の窃取」などの容疑で刑事告訴し、そのうえでドゥシーの自宅から追い出した。驚くべきことに、この告訴に当のドロンも加わっていたのである。
同じ日、アントニーは追い打ちをかけるように、単独でヒロミさんを「脆弱者(ドロン)への暴力と監禁」「脆弱さの濫用」「モラル・ハラスメント」「父の愛犬への暴力」で刑事告訴した。
これらが事実なら、ヒロミさんへの批判は仕方あるまい。ところが、ヒロミさんが言うには、すべて作り話だというのだ。
「アントニーが声明で指摘した23年の6月27日、私とアランは定期健診のためにスイスの病院を訪れていました。そこでアランが私に家から出ていけと言うと思いますか? アントニーをはじめ、子どもたちの主張はすべて作り話で、何の根拠もないことは明らかです」
その後、検察はすべての告発について不起訴処分とすると発表した。つまり、ヒロミさんの主張が認められたということになる。
また、晩年ドロンはヒロミさんに電話をかけ、「僕は独りぼっちなんだよ」と語るなど、辛い胸の内を明かしていたという。このことからも、ドロンは最後までヒロミさんのことを信頼し、頼りにし続けていたことがうかがえる。
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