立花隆さんの元仕事場「猫ビル」が売りに出されていた! 気になる“価格”と内部の様子は

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 東京・文京区にたたずむ3階建てのそのビルは、つい立ち止まって見上げてしまうほどインパクトがある。壁面に黒猫の顔が大きく描いてあるからだ。

 通称「猫ビル」。田中角栄元首相の金脈研究で知られた作家・ジャーナリストの故・立花隆氏の元仕事場である。脳や宇宙などをテーマにした作品が、1993年に建てられたここから次々生み出された。まさに「知」の製造工場だったビルだ。

作家からの問い合わせも

 ところが、その猫ビルが売りに出されたのは6月のこと。登記簿を見ると、3年前に立花氏の子息が相続し、今年1月に都内の不動産会社に売却。さらに4月に東京・中野区の別の不動産会社が取得している。そこが売りに出したのだ。

 価格は一棟売りで1億5800万円。賃貸でも募集中で、こちらは月額66万円だ。

「もちろん、立花さんの元仕事場であることは承知したうえで手に入れました。角地だし、都心の好立地なので、売値は決して高くないと思います」

 そう話すのは、現在ビルを保有しているKIK・トータルホームズの草野直紀氏だ。

「購入した当初は、猫の絵を消して塗り直すことも考えました。しかし、猫ビルは地元の皆さんにも親しまれている。だから、そのまま売りに出すことにしたのです。すでに10件以上の問い合わせがあり、中には作家の方もおられます」

大量の蔵書の行方は

 もともと立花氏が自宅に入りきらない蔵書・資料を収納する目的もあって建てたビルだけに、生前は5万冊以上の書籍や段ボール100箱分の資料があったといわれている。だが、同社がビルを手に入れた時は、ほとんど残っていなかった。

「生前、立花さんは“市場で得た書物は、市場に返す”と言っていました。だから、書籍のほとんどは古書店に引き取ってもらい、資料は立花さんと親交があった茨城県筑西市の事業家に渡されました」(立花氏の知人)

 不動産会社の許可を得て、猫ビルの中を見せてもらった。扉を開けると、地下1階~3階がらせん階段でつながっている。仕事場だからトイレと水場はあるが風呂はない。あらゆるところに書棚が設けられ、特に3階は壁全てが書棚だ。だが、自分の名を冠したものを残すことを良しとしなかった立花氏だけに、本人を思い出させるものといえば、2階のラックに貼ってあった名刺一枚だけ。

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