「東京中日スポーツ」事実上の“廃刊”か 「紙媒体をやめるということは“トーチュウ”ブランドが消えることに…」

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 トーチュウこと東京中日スポーツが年内で休刊する。

「事実上の廃刊です」

 と、親会社の中日新聞幹部が肩を落とす。今のところ社内のごく一部しか知らされていないという。

 ネット時代のさなか、地方紙の廃刊が相次いでいるが、ついにその波が東京にも押し寄せてきたわけだ。

「トーチュウの印刷を担っていた埼玉の工場が閉鎖されるので、もう後戻りできない。休刊の決定は9月以降、順次、社内外の各部署に通達される見込みです」

 スポーツ紙では、西日本スポーツや道新スポーツが紙媒体を廃し、ウェブに移行した。トーチュウも同じ流れなのだが、

「東京中日スポーツは中日スポーツの関東版ですから、紙媒体をやめるイコール“トーチュウ”ブランドが消える、ということになります。ウェブ版の一部に名前を残す可能性は残ってはいますが……」

売上部数は数万部に

 1990年前後のF1ブームで一躍名をはせたトーチュウは、ブーム終了後も独自の取材力で紙面を割き続け、“F1のトーチュウ”と称された。鈴鹿でレースがあると、隣県の愛知で印刷した中日スポーツではなく、わざわざ関東からトーチュウを運び込んで売っていた、という逸話もある。

 野球面はもちろんドラゴンズ推しだが、サッカーは名古屋グランパスではなくFC東京をメインに据えるなど、“本紙”中日スポーツとは一線を画する編集方針。もっとも、

「近年は、売上部数が数万部にまで落ち込んでしまいまして……」

 中日新聞の関東版である東京新聞も苦境に立たされている。同紙は8月いっぱいで23区を除く地域で夕刊の配達を終了する。

「中日新聞前会長の白井文吾さんは“私の目の黒いうちはトーチュウをつぶさない”と言っていましたが、廃刊は時間の問題でした」

 東京中日スポーツにこの件を質すと「お答えすることは特にございません」との回答があった。

週刊新潮 2024年8月29日号掲載

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