茂木幹事長の「70票は確保」発言の真意は? 林芳正陣営は「1回目の突破は諦めている」 総裁選の「ウラのウラ」を徹底分析

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「党員票を掘り起こす以外に道がない」

 古代中国に「戦国七雄」と称される七大国が覇を競った時期があった。来(きた)る自民党総裁選はまさにそんな「戦国時代」さながら、多数の候補者が名乗りを上げて、しのぎを削り始めている。“恫喝”に“虚報”と権謀術数渦巻くあきれた舞台裏をのぞいてみると――。【前後編の後編】

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 前編【「言わなくてもいいこと言うとかさ…」 石破茂元幹事長が自ら分析 過去の総裁選で「議員票を集められなかった理由」】では、すでに出馬を表明した候補者のうち、小泉進次郎元環境相(43)、小林鷹之前経済安全保障担当相(49)、石破茂元幹事長(67)らを巡る党内の力学について報じた。

 26日の出馬会見では裏金議員に不記載額と同額の返還を求め、返還に応じた議員を党の公認候補にすると説明したのが、裏金問題に厳しいスタンスを取っている河野太郎デジタル相(61)だ。

 さる自民党関係者の話。

「河野氏は前回、菅義偉前首相の支援を後ろ盾に小石河連合の統一候補として総裁選に臨み、決選投票に残りました。しかし、今回は菅氏の支援も期待できず、党員人気の点でも他候補に劣る。また、頼みの綱である麻生太郎副総裁も27日に河野氏支持こそ打ち出しましたが、なおも本当の勝ち馬を探しているフシがある。だから自派閥への縛りもかけない姿勢。河野氏は裏金問題を蒸し返して、党員票を掘り起こす以外に道がないのが実情です」

「70は確保した」発言の真意

 この破れかぶれの状況は、麻生氏を頼ろうとして袖にされ続けている茂木氏も同様である。

 その茂木氏は、周囲にこううそぶいているという。

「(全体で367票の)議員票のうち、70は確保した。問題は決選投票だ」

 しかし、前出のデスクはこう首をかしげる。

「裏金問題後、小渕優子選対委員長や関口昌一参院議員会長らの脱会が相次いだ旧茂木派は現在、全部がまとまったとしても70には到底満たない。その数字は眉唾でしょう」

「決選で勝ち馬に自陣営を高く売って主流派に」

 ここで、さる永田町関係者の解説にも耳を傾けてみよう。

「自民党総裁選は1回目の投票では議員票と党員票が367の同数で計算されます。今回の総裁選は候補者が乱立するので議員票が割れ、相対的に党員票の価値が増すといわれています」

 そしてこう続ける。

「1回目を勝ち残った1位、2位の候補者が戦う決選投票は、1回目と異なりほぼ議員票で勝者が決まる仕組みです。茂木さんは党員に不人気ですから、決選投票には残れないでしょう。ですが、1回目で議員票をある程度取れるならば、決選で勝ち馬に自陣営を高く売って主流派になることができる。“70発言”の真意はそんなところにあるんじゃないですか」

 つまり“虚報”すら用いて、今から自陣営を他陣営に高く売りつけようというのが茂木氏の“兵法”だというのだ。ならば、他の陣営はどうだろうか。

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