「言わなくてもいいこと言うとかさ…」 石破茂元幹事長が自ら分析 過去の総裁選で「議員票を集められなかった理由」
組織の悪弊を体現する「ドンの圧」
一方、そんな小泉サイドからの切り崩しに遭っているのが小林陣営である。
「先日の出馬会見に、24名の中堅・若手が同席。特に、旧安倍派からは福田達夫元総務会長ら11名が参加したのですが、もう一人、会見場に居るべき人物が姿を見せなかったのです」(同)
その人物とは佐々木紀(はじめ)元国土交通省政務官。小林氏を担ぎ出した主要メンバーの一人だ。もっともその佐々木氏は旧安倍派で、森氏から石川2区の地盤を引き継いでおり、
「当然、旧安倍派のドンで、石川県連にも今なお影響力を及ぼす森氏には、頭が上がりません。森氏は派閥の結束のためにも、旧安倍派は進次郎一本でまとまるべきだと考えており、他候補の支持に回った議員に憤慨している。とりわけ、子飼いである佐々木氏の離反など許すはずがなく、佐々木氏は森氏の引き剥がし工作に屈したと見られているのです」(同)
佐々木氏に尋ねたところ、
「みんなからいろいろ聞かれて、僕も戸惑っています。どなたを支持するかは、ある程度候補者が出そろって、構図が固まってから判断したいと思います。今のところ、誰かの推薦人に名を連ねる予定はありません」
派閥の悪弊を体現しているようなドンの“圧”に早くも陥落したようである。
「小林氏を“つぶしてやる”と」
旧弊に引きずられた動きは他にもあって、
「小林氏は旧二階派ながら、麻生派の甘利明前幹事長の支援も受けて出馬に至っている。旧二階派幹部の武田良太元総務相は、そんな小林氏の動きが派閥を割る動きだと激怒。小林氏を“つぶしてやる”と息巻いています」(先のデスク)
では、小林氏自身はどう述べるか。
「私の仲間やその支援者に対して、さまざまな“働きかけ”があるとは聞いています。しかし自分の強みは、脱派閥で集まってくれた仲間が、そういう政治的リスクに耐えながら、それでも私を支援し続けてくれていること。彼らの気持ちを思うと、この総裁選をもっと頑張ろうという前向きな力が湧いてきます」
小林氏のように党内の実力者からの妨害工作に遭う候補者がいる一方、自分自身の吐いた言葉で墓穴を掘っている候補者もいる。
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