「言わなくてもいいこと言うとかさ…」 石破茂元幹事長が自ら分析 過去の総裁選で「議員票を集められなかった理由」

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すでに6人が20名の推薦人を確保

 古代中国に「戦国七雄」と称される七大国が覇を競った時期があった。来(きた)る自民党総裁選はまさにそんな「戦国時代」さながら、多数の候補者が名乗りを上げて、しのぎを削り始めている。“恫喝”に“虚報”と権謀術数渦巻くあきれた舞台裏をのぞいてみると――。【前後編の前編】

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 今回の自民党総裁選は候補者が乱立する異常事態になりそうだ。自民党69年の歴史を振り返っても、6名を超える候補者が出馬した総裁選は4回だけなのに、

「派閥解消を受けて古い秩序が崩壊した結果、実に12名が推薦人集めに動き始めました。うち6名は、すでに20名の推薦人も確保しています」

 とは政治部デスク。

「小泉進次郎元環境相(43)、小林鷹之前経済安全保障担当相(49)、石破茂元幹事長(67)、河野太郎デジタル相(61)、茂木敏充幹事長(68)、林芳正官房長官(63)の面々です」(同)

「小泉シンパだった一部の人心が離れ始めている」

 当初、推薦人集めが難航していた高市早苗経済安保相(63)と上川陽子外相(71)も出馬の可能性が濃厚だ。つまり、最大8名の候補者が並び立つことになりそうなのだという。

 実際に各候補者を巡る動きを見ていこう。

 目下、本命視されているのが国民的人気の高い小泉氏だ。森喜朗元首相ら長老からの支援を背景に、党内にも幅広く支持を広げつつある。

 さる自民党関係者が言う。

「小泉氏の基盤は旧安倍派の一部や菅グループですが、他の(旧)派閥からも支持が集まっています。小泉氏を支えるメンバーの中心は、旧二階派の小倉將信初代こども家庭庁担当大臣。また、旧岸田派ですが村井英樹内閣官房副長官も小泉氏の支持に回ると聞いています」

 だがこれには懸念も残る。

「小倉氏は東大法学部から日本銀行に入行後、オックスフォード大学大学院に留学した輝かしい経歴ゆえなのか、普段から偉そう。今回も仲間に“進次郎とは直接、連絡を取るな。俺を通せ”と官邸の“首相補佐官”のように振る舞って、不興を買っているようです。結果的に、小泉シンパだった一部の人心が離れ始めています。課題は仲間内の連携にありそうです」(前出・デスク)

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