“総工費150億円”「甲子園の銀傘拡張」はホントに観客のため? 透けて見える阪神の「金儲けの下心」

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「学校応援団、観客の暑さ対策、雨天への対応で、素晴らしい計画。ご尽力に感謝申し上げる」

 今月2日、阪神電鉄が甲子園球場の内野席を覆ういわゆる“銀傘”の拡張計画の詳細を発表し、会見に同席した日本高校野球連盟の寶馨会長は、このように計画を絶賛した。同社の谷本修取締役も、

「猛暑など環境の変化に柔軟に対応する必要がある。拡張で、高校野球文化を次の時代に引き継いでいく」

 と胸を張った。だが、計画の詳細をひもとくと、そこには大人たちの皮算用も透けて見えるのだ。

「拡張された銀傘は、内野席と外野席の間に位置するアルプス席もカバーすることになるのですが……」

 とスポーツ紙記者が語る。

「同時に、球場にへばりつくように6階建てのビルも建設されます。その5階には観覧エリアが、6階にはVIP用の個室観覧エリアが設けられるのです」

 総工費は約150億円。これほどの大金が、観客の健康のためだけにつぎ込まれるわけがないのである。

 高校野球もさることながら、プロ野球・阪神タイガースの人気はすさまじく、チケットは売り出した瞬間に即完売となる。毎年売り出されている年間シートも、球団関係者によると、

「新規の申し込みをお断りしている状態です。契約を更新しないお客さんも多少いますが、その枠も『買い増すから、空きが出たら教えて』というお得意さんに回さざるをえないので」

 接待用に10席以上の年間シートを確保している企業もザラで、個室が売り出されれば完売は必至である。

 先の記者が苦笑する。

「『JCBエキサイトシート』のように座席に命名権を設定するなど、阪神の商魂はたくましい。拡張する銀傘にも命名権を設定して売り出したりして」

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