「会社の飲み会が苦手。苦痛を和らげるには…」の悩みに、精神科医はどう答えるか

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誠実で真面目な人は、自分を売り込むのが苦手な人が多い

(お悩み)転職活動を始めたのですが、自分を売り込むことが苦手で上手くいきません。

 アテクシ、こう見えても人を採用する側も経験しています。そのときの経験を元に言いますと、

「売り込み上手な人だから採用されるわけじゃないのです」

 もちろん、売り込み上手がいけないというわけではありません。自分の魅力をちゃんと説明できることは決して悪くはない。でも、それが不器用でも良い人なら採用します。

 アナタがお買い物するときのことを考えてみてください。めちゃくちゃ売り込みが上手な店員だったら買うでしょうか?

 もちろん勢いで買わされちゃう人もいると思いますが、やっぱり良い製品なのか、値段が妥当なのか考えてから買いませんか?いくら売り込み上手でも、自分のニーズに合わない商品は買いませんよね。それと全く同じことなんです。

 まして、お買い物ではなくて人材の採用なんですから、慎重に相手を見極めようとしますよ。で、どんな人がニーズが多いかと言うと、やはり誠実で真面目な人です。誠実で真面目で、職場にちゃんと残ってくれそうな人が人気です。

 売り込み上手かどうかはあまり重要ではない。いくら売り込み上手でも、口先ばかりで中身が伴ってなければ、大して有利にはなりません。むしろ誠実で真面目な人は、自分を売り込むのが苦手な人が多いぐらいなものです。

転職活動というのは、いわば婚活のようなもの

 たとえば、アテクシの友人に、経営者として素晴らしい実績のある方がいます。この方は採用面接で、相手が想像もしないような、どう答えていいのかわからないような質問をするそうです。

 当然、相手は面食らいます。しどろもどろになったり、上手く答えられなかったりする。でも、だからといって落ちません。思いもよらぬ状況で出てくる人間性が大切だからです。

 つまり、「売り込みが下手」ということは、アナタが気にするほど問題ではないのです。ではなぜ転職活動が上手く行かないのか。それはアテクシにはわかりません。

 しかし、転職活動というのは、いわば婚活のようなものです。ピッタリくる相手が出てくるまで、ある程度の場数が必要です。試行錯誤を繰り返して、真面目に転職活動を続けていればいいのですよ。焦ると、その焦りが相手にも伝わって、上手くいくものもいかない。そんなこともありますしね。

(まとめ)
売り込み上手は、そんなに重要じゃない。誠実で真面目にやっていれば、あとは場数を踏むのみです。

『「内向的な人」の幸福戦略』(精神科医Tomy著、朝日新聞出版)

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【著者の紹介】
精神科医Tomy
1978年生まれ。名古屋大学医学部卒業。医師免許取得後、名古屋大学精神科医局入局。精神保険指定医、日本精神神経学会専門医。39万フォロワー突破のX(旧・Twitter)が人気で、テレビ・ラジオなどマスコミ出演多数。著書に『精神科医Tomyの気にしない力』(だいわ文庫)、『精神科医Tomyが教える30代を悩まず生きる言葉』、『精神科医Tomyが教える1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』ほか多数。

デイリー新潮編集部

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