「維新」県連幹事長はそれでも「斎藤知事は“知事の資質を欠いてはいない”」 お膝元・大阪の「市長選」でダブルスコアの大惨敗

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 8月25日に投開票された大阪府箕面市の市長選は、自民党を離党して無所属で立候補した元大阪府議の新人・原田亮氏(38)が初当選し、大阪維新の会が公認した現職・上島一彦氏(66)が敗れた。大阪維新の現職首長が落選したのはこれが初めて。維新の地盤の関西で、何が起こっているのか。

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 箕面市長選を取材したジャーナリストの吉富有治氏はこう分析する。

「原田氏は3万2448票、上島前市長は1万8309票とダブルスコアに近く、僅差で敗れたわけではありません。つまり、箕面市民の大半が前市長にNOを突きつけたことになる。その原因としてまず上げられるのは、上島前市長の暴言でしょう。彼は6月の市議会で、大阪・関西万博について言及した市議に『万博行くなよ! 出入り禁止や!』と言い放ち、発言の撤回に追い込まれたばかりでした」

 大阪維新の会代表で日本維新の会共同代表の吉村洋文・大阪府知事(49)も「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日)でコメンテーターを務める玉川徹氏に、大阪万博への“出禁”を発言して謝罪したっけ。

「上島前市長は暴言直後、訂正・謝罪はしないと言っていましたが、吉村知事からの助言があって撤回することになりました。維新は今、大阪万博の予算が当初の倍になって不評であること、自民党の裏金事件を受けた政治資金制度改革を巡っての対応や、維新の議員にも裏金疑惑が持ち上がるなど疑問符がついたことは間違いありません。原田氏は、昨年の大阪府議選に敗れた後、地元で早朝から街頭演説を行っていたことが市民の目に届いたことも勝因に挙げられるでしょう」(吉富氏)

 さらにもうひとつ。

斎藤知事=維新

「兵庫県の斎藤元彦知事(46)の影響です。パワハラ疑惑などを問われる斎藤知事は維新に所属しているわけではありませんが、実質的に維新の支援を得て兵庫県知事になった。大阪以外で初めて誕生した維新系知事と言われています。関西では連日、斎藤知事のパワハラやおねだりが報じられ、テレビをつければ斎藤知事が追求される姿が映し出される。支持も地に落ちました。にもかかわらず、今でも維新の県議だけが斎藤知事を擁護していることから、“斎藤知事=維新”という認識が生まれているのです。この認識が箕面市長選に影響したことは少なくないでしょう」(吉富氏)

 実際、昨年まで勝ち続けてきた維新の勢いが落ちたのは、斎藤知事が告発された春以降と時期が重なる。

4月21日【大阪府大東市長選】維新が公認した候補が落選
6月30日【大阪府河内長野市長選】公認候補を擁立できず不戦敗
7月7日【京都市議補選】維新の公認候補が落選
7月28日【大阪府議補選】維新の公認候補が落選

 これらの選挙結果に、箕面市長選での現職市長の落選が続いたのだ。また、箕面市長選の翌26日、大阪府守口市では市が補助金の交付対象を拡充した過程が不透明だとして百条委員会(地方自治法に基づく調査特別委員会)の設置が決定した。守口市長と補助金交付先の代表を務める大阪府議は、いずれも維新の会の所属である。吉富氏が続ける。

「日本維新の会の馬場伸幸代表(59)は記者会見で『維新の会の県議団が隠し立てや知事の盾になるということは全くない』と話し、維新と斎藤知事が無関係であることを強調しています。しかし、本当に無関係であるのなら、維新から進んで斎藤知事の不信任決議に踏み切るべきでしょう。そうでなければ同じ穴のムジナと思われるだけです」

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