安倍元首相銃撃事件で引責、退場した大物の「返り咲き」も 「岸田首相」退任で霞が関の警察庁支配も一旦終了

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年齢が近すぎて

 ある警察OBはこんな話をする。

「栗生氏は自ら副長官を望んでいたと聞いたことがあります。副長官はあくまでも調整役なので、長官まで務めた人物として職掌が物足りない感じがするようにも思いますがね。杉田氏や北村氏は長官経験者ではないので、その限りではありませんが」

 やる気があること自体、決して悪いことではない。が、必ずしも霞が関周辺での評価は高くなかったようだ。

「杉田氏は各省の事務次官クラスともひとまわりくらい年長であることに加えて本人の率直なキャラクターもあって、愛されていたところもあるのですが、栗生氏の場合は省庁トップと年齢が近すぎて話がスムーズに進まないことがままあったと聞いています」(先の政治部デスク)

 栗生氏にとっては不本意かもしれないが、こうしたことも岸田政権の支持率がここ最近、低空飛行を続けていた要因の1つとでは、という見方もあるのだという。

長官まで務めた人物として

「いずれにせよ、岸田首相の退陣により、杉田氏、栗生氏と続いた警察庁出身者が副長官に就任する流れは一旦休みということになりそうですね。警察庁出身者が副長官職を占め続けていることについて、霞ヶ関内から批判がありましたから」(同)

 もっとも、人事だけに結局はトップの意向が最優先される。この場合のトップとはもちろん新首相やその周辺ということになるだろう。

「安倍元首相が銃撃されて、警察庁長官を引責辞任した中村格氏も副長官職に意欲をにじませていたと聞いています。仕事ぶりには定評があり、菅前首相からは極めて高い評価を受け、実質的に秘書のような役回りを務めてきたとされています。菅氏がキングメーカーとして君臨するような時代になれば、“返り咲き”もあり得ることでしょう」(同)

 中村氏の場合は志半ばでの辞任だっただけに、「今度こそは」と期するところも大きいのかもしれない。

デイリー新潮編集部

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