安倍元首相銃撃事件で引責、退場した大物の「返り咲き」も 「岸田首相」退任で霞が関の警察庁支配も一旦終了

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歴代最長の在職日数を誇った

 岸田文雄首相の退陣により、現在の閣僚が全員「クビ」となるのは確実だが、それ以外の人事も当然、大きく影響を受けることになる。目下注目されているのが「次」の内閣官房副長官である。内閣官房副長官は定員3名で政務担当2名は政治家から、事務担当1名は霞が関の官僚から選ばれるのが通例だ。事務担当は「官僚の官僚」とも呼ばれ、これまで名物副長官が何人も生まれてきた。岸田文雄首相が9月の自民党総裁選に不出馬を表明したことで、体制にも変更があるとされるが、ここ最近、事務担当の副長官を独占してきた警察庁出身者も交代となりそうなのだ。

 2012年12月の第2次安倍内閣発足時、事務担当の副長官に任命されたのは杉田和博氏だった。安倍氏の就任記者会見中に泡を吹いて倒れ、在職期間は短くなるのでは、というのがもっぱらの見方だったが、結局、2021年まで約9年間にわたって政府の事務方トップを務めあげた。

 2017年8月には、それまで国会議員の政務担当副長官が務めてきた内閣人事局長も兼務することに。

大物警察庁長官と呼ばれた栗生氏

 2021年7月、官房副長官の在職日数が3134日となって村山内閣から小泉内閣にかけて官房副長官を務めた古川貞二郎氏を抜いて歴代最長の在職日数となった。

 杉田氏は安倍内閣の後を受けた菅内閣でも同様に副長官を務め、2021年10月に退任。

 岸田内閣になって新たに副長官に任命されたのが栗生俊一氏だった。こちらも警察庁出身である。

「大物警察庁長官と呼ばれた栗生氏は、今もなお警察の人事を差配するほどの権力を保持しています。安倍政権下で内閣情報官、国家安全保障局長を務めた北村滋氏にも副長官就任説が浮上していましたが、岸田首相が選んだのは栗生氏でした。栗生氏本人はやる気満々だったようですが、就任時まだ62歳という点については、霞が関で睨みを効かせるにはもう少し年齢を重ねた方が良かったのではないかとの指摘がついてまわりましたね。ちなみに北村氏は栗生氏の2歳上で、入庁年次で北村氏の方が1期先輩です」
と、政治部デスク。

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