セ・リーグ優勝争いはもつれてきたが…相手を楽にする「浅野翔吾」の2番抜てき、「大勢」の起用方法には疑問も【柴田勲のコラム】

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求められる「四球を出さない投手」

 最後に、巨人の話題に戻りたい。23日の中日戦に先発した西舘勇陽が今季3敗目を喫して、24日に出場選手登録を抹消された。

 今後新たな先発投手を探すことになろうが、球の速さ、球威、変化球の多さなどではなく、まずは制球力の良い、つまり四球を出さない投手を起用してほしい。

 その意味で船迫大雅には四球のイメージがあまりない。3回まで投げさせてみて良かったら5回まで延ばしてみる。救援陣は良い投手がそろっている。これを前提に考えた。

 27日からヤクルト(神宮)、阪神(甲子園)の6連戦、ちょっと連敗するとガタガタと落ちていく。今年は優勝のチャンスだ。巨人創設90周年の記念イヤーだ。うまく乗り切ってもらいたい。(成績などは26日現在)

(※)12日の阪神戦から1軍に再昇格すると14日の同戦でスタメン出場し、今季初ヒットとなる満塁本塁打を放つ。ここから9試合連続でスタメン出場。24日の中日戦ではプロ初の2番に座り、初回の2号ソロなど4安打を放った。再昇格後、10試合で35打数14安打の打率4割を挙げている。

柴田 勲(しばた・いさお)
1944年2月8日生まれ。神奈川県・横浜市出身。法政二高時代はエースで5番。60年夏、61年センバツで甲子園連覇を達成し、62年に巨人に投手で入団。外野手転向後は甘いマスクと赤い手袋をトレードマークに俊足堅守の日本人初スイッチヒッターとして巨人のV9を支えた。主に1番を任され、盗塁王6回、通算579盗塁はNPB歴代3位でセ・リーグ記録。80年の巨人在籍中に2000本安打を達成した。入団当初の背番号は「12」だったが、70年から「7」に変更、王貞治の「1」、長嶋茂雄の「3」とともに野球ファン憧れの番号となった。現在、日本プロ野球名球会理事を務める。

デイリー新潮編集部

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