生放送中にニット帽が脱げてもツッコんでもらえず…がん公表「梅宮アンナ」が闘病生活を発信し続ける目的とは

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第1回【乳がん公表「梅宮アンナ」があくまで“標準治療”にこだわる理由 「誰かに効いたサプリが私にも効く保証はありません」】からの続き

〈乳がんに罹患していることを自身のSNSで公表したタレントの梅宮アンナ(52)。標準治療を選択し、7月31日から抗がん剤を用いる術前化学療法をスタートさせた彼女が、デイリー新潮のインタビューに答えた〉

(全2回の第2回)

 標準治療といっても、抗がん剤を使うということは決して楽な選択じゃありません。人によっては末梢神経に耐え難い痛みが生じるし、とりわけ女性の場合は副作用で髪の毛が抜けてしまうことが気になるはずです。正直なところ、私も前髪以外の頭髪はほぼ抜け落ちました。

 抗がん剤の投与を始めて10日ほど経った頃から、パラパラと抜け毛が目立つように。その後、インスタグラムで病気について公表すると、「サンデージャポン」の生放送に出演することが決まったんです。異変が起きたのは収録当日の朝でした。シャワーを浴びて髪を洗っていたら、やけに指に髪がまとわりつくんですね。そのうちに、髪の毛がドレッドヘアーというか、毛糸玉のように固まりになってしまって……。驚いた私は、浴室から大声で同居しているママ(クラウディアさん)を呼びました。「髪の毛が大変! ママ、ハサミを持って来て!」。私はママに「このままだとウィッグもかぶれないから、ハサミで髪を切って」と頼んだんですが、ママはその場で泣き出しちゃった。

 ママには可哀想なことをしたなと思いましたね。パパ(梅宮辰夫さん)が闘病していた時と同じように、がんという病気のつらさを改めて体感しました。大変なのは患者本人だけでなく、周囲まで巻き込んでいくこと。どれだけ仲の良い家族でも、病気をきっかけにして距離ができてしまう。本当に厄介な病気ですよね……。

「治療に専念します」ではなく

〈一方で、病気になって気づかされたこともあるという〉

 そうなんです、髪の毛が抜けたことで初めて知った事実もあるんです。たとえば、日本のウィッグはすごく高価で、ファッション性という意味で古臭いということ。ウィッグ文化が定着しているアメリカと比べて、技術的な面も品ぞろえも遅れていると思います。
 
 実際にウィッグが必要となったとき、私はできるだけ多くの情報を集めました。その上で、直接連絡したのは大手ではないウィッグ会社の社長さんです。いま私がつけているウィッグはその会社の製品で価格は8800円ほど。とても気に入ってますね。

 がん闘病中はただでさえ治療費がかさむので、高価なウィッグを購入するのは大変なんですよ。では、がん患者は増加しているのに、どうして患者向けのウィッグのようなビジネスが広がっていかないのか。おそらく、芸能人だけでなく多くの人が、がんで闘病する姿を公表したがらないからだと思うんです。芸能人が病気を公表すると、健康食品やヘルスケアグッズのCMには出づらいし、演じられる役柄も制限されます。一般の方にしても、髪の毛が抜けたり、痩せ細った姿を見せたいとは思わないでしょう。私もひとりの患者として、そうした気持ちは痛いほどよく分かります。でも、私は自分の性格やイメージを変えないでストレートに思いを伝えていきたいな、と。「これから治療に専念します」といって休業するのではなく、発信を続けていきたいと考えています。

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