「世界最高齢116歳」糸岡富子さんの好物は「カルピス」と「バナナ」 専門家が指摘する「健康長寿に繋がるもう一つの生活習慣」とは

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 116歳の日本人女性が「世界最高齢」に近く認定される見通しだ。女性は100歳を過ぎてからも「寺社めぐり」など“歩くこと”を趣味にしていたといい、「カルピス」や「バナナ」が好物と伝えられる。その生活習慣や嗜好が「健康長寿」にどう影響するのか。最新の医学的知見をもとに、専門家が指摘した“意外な事実”とは――。

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 兵庫県芦屋市在住の糸岡富子さんが116歳を迎えたのは今年5月のこと。昨年12月に「国内最高齢」に認定されたのに続き、ギネス記録にも登録されていた117歳の女性(スペイン在住)が8月19日に死去したことで「存命中の世界最高齢」になったという。

 地元紙記者の話。

「糸岡さんは1908年に大阪市で生まれ、芦屋に移り住んだのが1990年。現在は市内の特別養護老人ホームで暮らしていますが、施設の職員から“世界最高齢になった”ことを伝えられると、『ありがとう』としっかりした表情で応じたといいます。特養に入居した19年当時は自力で歩くことも可能でしたが、現在は移動に際して車椅子を利用しているそうです。それでも体調の良い日は職員と会話を楽しむなど、116歳とは思えない様子と聞いています」

 子ども4人、孫が5人いるという糸岡さんの趣味は「ウォーキング」と「寺社めぐり」とされ、100歳を過ぎてからも「1~2キロ先の近くの神社までよく散歩していた」(同)という。学生時代はバレーボール部に所属していたというから、もともと運動には慣れ親しんでいたのかもしれない。

「長生きする人は足が丈夫」

 都内で高齢者医療や地域医療に携わる新潟大学名誉教授の岡田正彦氏がこう話す。

「これまで医師として多くの高齢者の方を診てきましたが、一つの特徴として“長生きする方は足が丈夫”という共通項が挙げられます。数十年前と比較して、食糧事情の向上などにより栄養状態が良くなったことで、現代人の心臓はすごく丈夫になりました。しかし、いまだに『人類の弱点』と指摘されるのが“脳”と“足”です。脳の老化からくる認知症を克服する術はいまもなく、また体のなかで最初に“血管の老化”が始まるのは足だとされている。人間の下半身には体内の血液の約7割が集まっていて、そのため足の老化は“生きる機能”の多くを喪失させかねないリスクを秘めているのです」

 足の衰えから歩行や移動が困難になり、行動範囲が狭まることで生活も一変。それにより、一気に「老化」が進むケースは数多いという。

「現代医学では、長寿を決める要因として『遺伝子7割、生活習慣3割』というのが定説になりつつあります。“長生きするかどうか”は、持って生まれた遺伝子による影響が大きいのは確かですが、かといって生活習慣をおろそかにしていいというわけではない。重要なのはココでいう生活習慣とは、その半分程度を『運動』というファクターが占めている点です」(同)

 もちろん運動をすれば、誰もが長寿を実現できるわけではないが、糸岡さんの健康長寿と「歩く(運動)」習慣には相関関係があると考えるのが自然という。

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