妻を絶賛しながら…年下女性に肉体関係ナシの「濃厚な愛情」 46歳夫が“セカンドパートナー”と出会うまで

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【前後編の前編/後編を読む】「不倫関係になるのが嫌なんだ…」46歳夫がおくる充実の「セカンドパートナー」生活は人類愛か、単なる気の迷いか

 セカンドパートナー(セカパ)という言葉を、このところよく聞く。この言葉は2018年ごろから既婚者のコミュニティで使われ始め、徐々に広がっていったものらしい。さらに昨年秋、YouTuberカップル・あやなん&しばゆーの「セカンドパートナー騒動」が報道されて、一般にも浸透していった。

 セカンドパートナーというのは、もちろんファーストパートナー(配偶者)があっての存在。お互い既婚者だが、不倫や婚外恋愛と違う特徴としては、肉体関係をもたないこと。友だち以上恋人未満の関係という暗黙のルールがある。このあたりがまだ周知されていない気配もあるようだ。

 宇田川寿登さん(46歳・仮名=以下同)は、ここ2年ほど、36歳のセカンドパートナーとときどき会っている。

「曖昧な友だち関係だったのですが、今年に入ってからお互いにセカパだと共通認識をもつようになりました。恋愛感情はある、もっと深い関係になりたいとも思っている。でもあえてそういう関係にはならない。ただ、普通の友だちとは違います。家族以外では、誰よりも濃厚な愛情を捧げていると思っています」

 寿登さんは、中肉中背、きまじめそうな会社員だ。実際、自分でも「まじめに働いているし、家族にもまじめに向き合っている」と言う。

「厳格な父親というわけじゃありません。むしろ、ダメオヤジかも。自分のダメなところも含めて子どもたちにはさらしてきました。仕事で失敗して飲んだくれて帰ってクダ巻いたときも子どもたちは見ていた。あとから言い訳はしましたが。ただ、浮気や借金で妻とケンカしたりということはまったくありません。妻とはずっと仲良くやってきました」

息苦しくてグレた寿登さん 東京の伯母夫婦の元へ…

 地方の県庁所在地で生まれ育った寿登さんは、教育者一家で育った。祖父母も両親も教育関係で、両親の兄弟姉妹も同様だ。両親はガチガチの教育熱心ではなかったが、それでも「世間からどう見られるか」を気にしているのを、寿登さんは子どものころから感じていた。

「しかも僕はひとりっ子だったので、いつも周りに壁が屹立しているような気がしていました。それがうっとうしくなったのは中学生のころ。両親には何の恨みもないけど、何かが息苦しかったんでしょう。地元の不良とつるんで他校の生徒とケンカをしたり、ワルの先輩のバイクに乗せてもらったりと暴れていました」

 若さゆえの暴走だったのだろうが、やはり両親は過剰に反応し、彼を親戚の家に預けてしまう。だがそれが彼にとってはかえってよかったようだ。

「中2の夏休みに、子どものいない、東京在住の母方の伯母夫婦のもとへ送られました。うわ、東京だとうれしかったんですよ。転校した学校では誰も僕のことを知らないし、あっさり受け入れてくれた。地元みたいに人間関係が濃くなかったから、それが僕には合っていたみたいです」

 放課後、音楽室でピアノを弾き、気づいたらクラスの女子たちが「かっこいい」と聞いてくれていた。地元の学校では、男の子がピアノを弾いているとからかわれたこともあったが、東京ではそんなこともなかった。

「それをきっかけに別の楽器もやりたくなり、吹奏楽部に入ってトランペットを吹き始めました。勉強はあまりできなかったけど、楽器は楽しかった」

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