「しょうが焼きと豚しゃぶ、どちらが栄養価が高い?」「ヨーグルトを食べるべき時間帯は…」 気になる食の疑問を専門家が徹底解説
「海藻が薄毛や白髪に有効という根拠はない」
一方、抜け毛や薄毛が気になる男性にとっても、残念な真実は存在する。
「見た目が黒っぽく、フサフサしているイメージのある海藻は、髪の毛の量を増やしたり、白髪に効果があると思われがちです。実際、薄毛などが気になっている人の中には、わかめなどの海藻を頑張って食べている人もいるのではないでしょうか。しかし、海藻が薄毛や白髪に特に有効だという明確な医学的根拠は、実は全くありません。髪の毛はタンパク質でできていますから、海藻ではなく、むしろタンパク質豊富な肉類を食べたほうがよほど効果が期待できるでしょう」(同)
もちろん、海藻が髪の毛に「悪い」わけではなく、
「海藻に豊富に含まれるビタミンやミネラルが好ましい影響を与えていると考えられます。しかし、これらの栄養を得られるのは、海藻からに限った話ではないということになります」(同)
「果物は太る」は間違い
覆される食材へのイメージ。それは、「甘い食材」の代表である果物についてもいえる。
「日本では昔から『水菓子』とも呼ばれていたこともあり、果物には太るというイメージが付いて回るのかもしれませんが、これは完全に誤解です」
と、旧来の「果物観」を覆すのは、農林水産省果樹試験場に入省し、以来、果物と健康についての研究を続けてきた、農学博士で、つくば生命科学研究所所長の田中敬一氏だ。
「アメリカ食品医薬品局(FDA)が果物に含まれる果糖やその他の糖分と生活習慣病との関係を調査した結果、果物に含まれる果糖は高脂血症(脂質異常症)の原因ではない上に、肥満や心臓病の直接的な原因ではないことが判明しています。WHO(世界保健機関)もこのFDAの報告は正しいと結論付け、果糖などはエネルギー源として重要であるとしています。従って、厚生労働省による目標摂取量、1日200グラムの半分の量にも満たない果物しか食べていない日本人は、もっと果物を食べる必要があります」
前編【「日本人が骨折しにくい理由は大豆」「認知症予防に豚汁」 食の最新知見を専門家が徹底解説!】では、認知症予防に効く食材や、カルシウム摂取量が少ないにもかかわらず日本人が骨折しにくい理由などを紹介した。
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