「しょうが焼きと豚しゃぶ、どちらが栄養価が高い?」「ヨーグルトを食べるべき時間帯は…」 気になる食の疑問を専門家が徹底解説

ドクター新潮 ライフ

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しょうが焼きか豚しゃぶか

 また、調理・料理の仕方によっても栄養効果は変わってくる。例えば――。

「豚肉には、ビタミンB1が豊富に含まれています。そしてビタミンB1は、糖質をエネルギーに変えてくれるため、不足すると疲れやすくなったり、頭の回転が悪くなったりします。では、そうした効果を考えた場合、豚肉はどう食べるのがいいのでしょうか。しょうが焼きか、それとも豚しゃぶか」

 こう問いかけるのは、管理栄養士で東京慈恵会医科大学附属病院栄養部長の濱裕宣氏だ。

「正解はしょうが焼きです。ビタミンは水溶性なので、豚肉をゆでると、せっかくのビタミンB1が溶け出してしまうからです。もし豚しゃぶにするのであれば、シメに残り汁を使っておじやを作り、溶け出したビタミンB1を無駄にしない手もあります」

 ちなみに、やはり納豆に関しても「食べ方の注意」が存在するという。

「酵素は50~70℃でその効果が消失してしまいます。納豆に含まれ、血栓を溶かす働きなどがあるナットウキナーゼも酵素ですから、電子レンジで熱々に温めたご飯の上に納豆をのせて食べるのは避け、ご飯を少し冷ましてからのせるほうがいいでしょう」(同)

太らない食べ方

 万病の元であるメタボが気になる人にとっては、「太らない食べ方」も知りたいところ。

「最近話題のダイエット薬でもその存在が注目されている『GLP-1』というホルモンには、神経に働きかけ、食欲を抑制する効果があることが分かっています」

 と、東京工業大学特任准教授やサイバー大学客員教授として食欲の制御機構を研究してきた、生命科学者の新谷隆史氏が話す。

「しかし、GLP-1は私たちの体内でも作り出されているものなので、薬に頼らなくても、その分泌を促すことができれば食欲の抑制は可能です。そこで大事なのが食べる順番。GLP-1はタンパク質や脂質を摂取すると分泌が促進されるため、はじめにタンパク質が豊富な豆類や、タンパク質とともに脂質を含んだ肉類を食べる。そうすることでGLP-1が分泌され、満腹感を得やすくなります。また結果的に、白米などの炭水化物の摂取量を抑えられることにもなり、食べ過ぎを防ぐのに有効です」

 そして、何を食べるかにもつながる話だが、「食べ方」における究極の理想は、バランス良く食べることに尽きるといえよう。だが、重々理解してはいるものの、正直に言って面倒なこともあり、現実的にはそれがどうにも難しい。

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