「海のはじまり」が突きつけた“親ガチャ”の現実…目黒蓮が椅子を蹴飛ばした緊迫シーン、孤立深める有村架純に「耐えられない」

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ダメダメ親父の“後悔”

 実父との再会にいたたまれなくなった夏は喫茶店を飛び出し、行きつけの写真店に行く。そこで、息子と再会した基春が毎日、店に顔を出していていることを知らされる。それを聞いた夏は再び基春と会うことを決意。釣り堀での再会で夏は、自分の愛用しているフィルムカメラが基春の所有物だったことを知った。基春は「(夏には)興味しかなかった。責任もない。心配もしない。レンズ越しに見ていただけ」と告白しつつも、久々に手にした自身のカメラを手にしてファインダー越しに息子を見つめる。そして、「優しい皆さんに支えられて、しんどくなったら連絡しろよ」と心を開く。

「ダメダメ親父だった基春の後悔が、うまく表現されているシーンでした。奔放な性格の基春は、理想の父親像からは程遠い人間として描かれています。しかし、だからこそ夏は基春に『面倒くさいことになったと思った。タイミング最悪で。みんな悲しそうで、俺よりツラそうで、しかも優しいから。この人たちより悲しそうにできない。俺だって悲しいのに』と感情をぶつけることができたのだと思います。水季が亡くなり、そして突然娘の存在を知らされ、親として向き合えるか戸惑う夏の胸には、怒りや悲しみの気持ちがあふれていたはずです。ただ、恋人の弥生の前では感情を抑えて過ごすしかありませんでした。そんな夏の本音を受け止めたのが基春でした。世の中が期待する父親像から外れた自由なキャラクターだったからこそ可能だったのでしょう」(同)

 一方、視聴者からの同情が集中している弥生には、毎話のように試練が降りかかる。公園で海と遊んでいる弥生が、海のネックレスに手で触れようと すると、夏は「やめて!」と制止。ネックレスの飾りの部分には、子宮がんでこの世を去った水季の遺灰が入っていたためだ。

 また、スーパーマーケットで買い物をする際、弥生が「子どもの好きなものがいいよね」と語りかけると、夏は「好き嫌いがほとんどないんだよ。偉いよね」と明かす。弥生は「水季さんがちゃんと食べさせていたんだね」と笑顔を作ろうとするが、戸惑いは隠せなかった。夏と会話をすると、何かにつけ元恋人の水季に繋がってしまう。孤独を募らせる弥生は、水季が働いていた図書館の同僚である津野(池松壮亮)に相談するが、いちいち毒舌が返ってくる。

 今後の展開についてフジテレビ関係者がこう言う。

「死期を悟った水季は、海とその恋人にあてた手紙を書いていました。その手紙を読むのが怖い弥生でしたが、予告では手紙を開いて読み始める弥生の姿がしっかりと描かれていました。中絶手術後、産婦人科の患者共有ノートに書いた弥生の文章が、偶然にも水季の目に留まって出産を決意したように、今度は水季が弥生の背中を押すような文章を残している可能性はあります」

 孤独を深める弥生に「耐えられない」「見ていてつらすぎる」などの声が殺到しているが、そもそも「弥生」とは3月の別称。冬の厳しい寒さを乗り越えた弥生に間もなく草木がよみがえる“春”がやってくるのかもしれない。

デイリー新潮編集部

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