新聞テレビは本命扱いでも…なぜ「小泉進次郎氏」はネットで絶望的に人気がないのか 「高市早苗氏」と正反対の現象が起きる理由
高市氏と中道左派
なぜ大手メディアの報道と、いわゆるネット世論はこれほど違うのか。ITジャーナリストの井上トシユキ氏に取材を依頼した。
「高市さんの人気は、ネット上で“ぶれない人”と認定されているからでしょう。主要政策に関する主張は一貫しており、そうした主張を明確なメッセージとして発信してきました。そうした姿勢が“潔い”という高評価につながっていると思います。さらにネット世論はマスコミを“マスゴミ”と嫌悪する傾向が強いわけですが、そのため『高市さんが総理総裁になれば、マスゴミの馬鹿な質問にも毅然として答えてくれる』という期待につながっていると考えられます」
もちろん高市氏にも“弱点”はある。支持者が保守層に偏っていることだ。
「高市さんが広範な支持を得るためには、ご自身が女性政治家であることをどうアピールするかという点にかかっているでしょう。これまで高市さんは自分が女性という点を強く打ち出すことはなかったと思います。しかし今回の総裁選を考えると、高市さんが初の女性総裁、初の女性首相になる可能性があることは、やはり重要な要素です。高市さんが岩盤支持層である保守派の人気を維持しながら、今回の総裁選を通して無党派層における女性の中道派と中道左派の支持を獲得できるかどうかが鍵でしょう。もし中道・中道左派の支持が大手メディアの世論調査で数字になって報じられれば、一気に状況が変わるかもしれません」(同・井上氏)
小泉氏と大手メディア
また国外の情勢で高市氏に支持が集まる可能性も充分にあるという。注目ポイントは中国と韓国の動向だ。
「9月27日の投開票まで、まだ1カ月もあります。もし日中や日韓の間に大きな問題が起これば、自民党員や国民の視線は高市さんに集中すると思います。現在の日中・日韓関係は、特別な対立関係にはありません。しかしオーバーツーリズムの被害を被っている関係者が少なくなく、かなりの有権者が中韓に対して“モヤモヤ”とした気持ちを抱いています。両国に対する不満はマグマのように水面下で蠢いており、中国や韓国との間にトラブルが発生すれば爆発、高市さんに期待するという声が急上昇すると考えられます」(同・井上氏)
次は小泉進次郎氏の不評問題に移りたいが、その前に「なぜ進次郎氏を大手メディアは『国民的人気がある』と報じるのか」という問題を考えてみたい。
井上氏は「父親である小泉純一郎氏の“レガシー”が大きな影響を与えているようです」と言う。
小泉純一郎氏の祖父・又次郎氏は1908(明治41)年、衆議院議員選挙に出馬し、父親の純也氏も1937(昭和12)年に同じ衆院選に出馬し、共に初当選を果たした。
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