このままでは日本の「アルゼンチン化」もあり得る…小林慶一郎・慶大教授が指摘する「金利のない世界」の甚大な副作用

ビジネス

  • ブックマーク

 日本銀行総裁が10年にも及ぶ異次元緩和を続けた黒田東彦氏から植田和男氏に代わり、金融政策は徐々に正常化しつつある。果たして“金利のない世界”は日本に何をもたらし、今後、“金利のある世界”へと回帰することができるのか。『日本の経済政策 「失われた30年」をいかに克服するか』(中公新書)を上梓した小林慶一郎慶應大学教授に訊いた。

 ***

 日本は日銀の黒田体制下で超低金利時代が長く続いた世界的にも稀有な国である。

 2016年1月、日銀は「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」を導入し、さらに同年の9月に短期金利だけではなく、長短金利を操作するイールドカーブ・コントロール(YCC)を取り入れた。...

つづきを読む