「この棒振り野郎!」と罵られることも…現場は高齢者ばかりという「警備員」のリアル「トイレに行けないので膀胱炎率は高い」

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たかが棒振り、されど棒振り

 現場に立っている時、警備員はどんなことを思うのだろうか。世間に知っておいてほしいことを聞いてみた。

「警備員は現場で監督や作業員に怒鳴られることが多いので、自尊心が低くなってしまいます。なので道路で見た時は優しくしてあげてほしい」

「世間からは低く見られる仕事。『この棒振り野郎』と言われる場面もあります。たかが棒振り、されど棒振り。積極的に工夫し考えるのがプロです。水道をひねって水が出るのは当たり前ではない。それと同じく気付かれないし感謝もされないけど、なくなればこの世の中は混乱します。現場にはあなたたちの仕事はそういうもだと言っております」

 ひたすら街や施設で立ち続ける仕事。通行人に「ありがとう」や「ご苦労さま」と言われると非常に嬉しいという。

「ビル前で通勤してくる社員さんたちを毎朝ビルの入口で見守っていますが、挨拶してくれる人はいつも同じ人たち。そりゃ覚えてますよ、何せ僕ら警備員ですからね」

 本稿読後、外で見る警備員の見え方が少しでも変わっていればいい。現場の警備員各位には、最大の敬意を送りたい。

橋本愛喜(はしもと・あいき)
フリーライター。元工場経営者、日本語教師。大型自動車一種免許を取得後、トラックで200社以上のモノづくりの現場を訪問。ブルーカラーの労働問題、災害対策、文化差異、ジェンダー、差別などに関する社会問題を中心に執筆中。各メディア出演や全国での講演活動も行う。著書に『トラックドライバーにも言わせて』(新潮新書)、『やさぐれトラックドライバーの一本道迷路 現場知らずのルールに振り回され今日も荷物を運びます』(KADOKAWA)

デイリー新潮編集部

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