【虎に翼】男装は「戦闘服のイメージかな」 土居志央梨が語った「よね」への思いと「沙莉ちゃんとの2人旅行」
“全員ぶっ倒すぞ!”
あくまで孤高を貫くよねの服装を、土居は「戦闘服みたいなイメージで男装していたのかな」と指摘する。
「女性っていうだけで虐げられ、ひどい目に遭わされるという当時の社会状況が耐えられず、それで女性的な部分を排除してきたように感じています。そんな生活を続けるうちに、よねは“これが一番、自分らしくいられるって感じてるんだろう”って思ったり。スカートをはいたり、髪を伸ばしたりということに一切の未練を感じさせないのは、“髪を切る”って決断した自分の意思をあくまで尊重しているからじゃないでしょうか」
そんなクセのある役柄は、かつての自分自身と重なる点が少なくないという。
「高校時代や大学を卒業して上京した頃は、ちょっとよねが宿っていた時期。周りを拒否するって言うか、東京に向かう新幹線の車内で、過ぎ去る車窓の景色を目にする私の心は燃えに燃えていた。“よし、全員ぶっ倒すぞ”みたいな意識だったんです。その時のことを思い出して懐かしいと言うか。そのせいか、よねを演じる時は“ちょっと可愛いな”って親心みたいに感じるところもあって。昔の自分を思い出すからでしょうか。でも、あの時期があったからこそ、いまの私はあるんです」
強い言葉から透ける「よね」の内面
そのよねを演じる自分を、土居は次のように振り返る。
「よねの言葉は本当に力強い。さすがに私は、あそこまではしていませんでしたが、心の中では同じように思っている部分があったなと思います。20歳くらいの大学生だった最初の頃の彼女は、まだまだ青く、すごく未熟な状態で登場してきた。それだけに、周囲にどんどん厳しい言葉をぶつけていく。言葉が強ければ強いほど、それがよねの青さを表していると言うのか、彼女の内面が透けて見えるように感じていました」
それはどこまでも自分に正直な、よねの人間らしいところでもある。
「弱さやカッコよさ、或いは恥ずかしいところとか。もの凄くそういうものが詰まっている。よねを単に“男装して颯爽としている”というイメージにはしたくない。どうしようもなく不器用で、融通が利かないところや、寅ちゃんのことも、ずっとキツく当たり続けて決して許そうとしない。そういう頑ななところも、この人の愛嬌と言うか、ひとつの魅力として表現できたら嬉しい。何だか、よねって可愛いんですよ」
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