「TRUE LOVE」のイントロは藤井フミヤの弾き間違いだった…ミュージシャン・佐橋佳幸が明かす“ミリオンヒットが生まれる現場”

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第1回【「とんでもないクソバンド」がもたらした若き日の契機…ミュージシャン・佐橋佳幸がJ-POPに欠かせない存在となるまで】の続き

 ギタリストであり、アレンジャー、音楽プロデューサーも務める佐橋佳幸(62)は今なお、業界から引っ張りだこのミュージシャンだ。大ヒット曲への参加は数知れず、2015年にリリースされたコンピレーションCD「佐橋佳幸の仕事(1983-2015)~Time Passes On~」にも、小田和正や山下達郎、桑田佳祐、渡辺美里といった名前がずらりと並ぶ。まさにJ-POPの黄金期を作り上げた1人だ。

 小田和正の「ラブ・ストーリーは突然に」、藤井フミヤの「TRUE LOVE」――佐橋が手掛けたアレンジやギターフレーズは、さまざまなヒット曲で耳にすることができる。また音楽を通じて、生涯のパートナーとなる松たか子とも出会った。ロングインタビュー第2回ではヒット曲の誕生秘話や再始動した自身のバンド「UGUISS」について語っている。

(全2回の第2回)

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数々の大ヒット曲のイントロも

 時代は1990年代に入り、音楽業界はシングルもアルバムもミリオンセラーが頻発する爆売れの時代を迎えた。さまざまな仕事をこなしていた佐橋にとって、こうしたミリオンヒットに携わるのも多くの仕事の中の一つだったが、「現場には熱気があったし、レコーディングしているときは分からないけれども、みんな売れてほしいと思いながら作っていましたね」と述懐する。

 そんなミリオンヒットの1曲が藤井フミヤの「TRUE LOVE」。佐橋にとって藤井は”同級生“だ。UGUISSがデビューした1983年9月21日は、藤井がいたチェッカーズのデビューシングル「ギザギザハートの子守唄」の発売日。つまり2人は同日デビューという間柄なのだ。

 デビュー直後のNHKのオーディションで、佐橋と藤井は出会っている。当時はこのオーディションに合格しないと、NHKの番組に出られなかったといい、会場で両グループが顔をそろえたのだった。

「そうはいってもこちらは売れないロックバンドで、片やチェッカーズはデビュー後に大人気となった人たち。だから、チェッカーズの解散を聞いたときは『解散しちゃうんだ』と思ったものですが、フミヤくんがソロでシングルを出すにあたって、僕のところにアレンジの話が来て。『なんで俺?』と思いましたよ」

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